出版社内容情報
遠山 義孝[トオヤマ ヨシタカ]
著・文・その他
目次
1 ショーペンハウアーの生涯(学者への夢;哲学大系の完成;仕上げの時代;夕映の中で)
2 ショーペンハウアーの思想(ショーペンハウアーと現代;表象と意志;苦悩と解脱;生と死について;共苦=同情の倫理学とインド哲学;実践哲学の優位―カントの影響;ニーチェへの影響と仏教の視点;意志の否定と諦念;ショーペンハウアーを生かす道)
著者等紹介
遠山義孝[トオヤマヨシタカ]
1939(昭和14)年長野県に生まれる。東京教育大学卒。現在、明治大学教授。文学博士。この間、ハンブルク大学、ハーバード大学に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
38
不遇の哲学者っていいですね。少年時代は裕福な商人の家庭で育ち、母親が有名な文化人でゲーテと知り合いと、恵まれた前半生を送ります。ところが、ベルリン大学でのヘーゲル教授との対決にあっけなく敗れ、出版する本はせいぜい数十部しか売れず、女に騙されて慰謝料と女の年金を支払うなど不当な金銭的負担を背負い込むなど,踏んだり蹴ったりの人生です。ショーペンハウアーの哲学が以前の日本で人気があった最大の理由は、キリスト教的一神教と対立しているからでしょう。非ヨーロッパ世界の目配りも利いていて、世界観が思いのほか現代的です。2019/02/01
あっきー
15
✴4 再読、60年安保の時代にショーペンハウアー没後100年だった、2019年は意志と表象としての世界が出版してから200年、当時は100冊しか売れず60才ごろ幸福についてがやっと売れて日の目を見た、 カントからニーチェへとつながる流れが分かりやすく、この本の説明でコペルニクス的転回というのがやっと理解できた気がする2019/10/08
りえこ
15
読書についてを読んで、ガツンときたので、読んでみました。面白かった。そういう人生でこういう思想がうまれるんですね。2015/09/13
愁
10
ショーペンハウアーは文庫版を数冊読んだだけなのですが、彼の哲学から彼の人生に興味を持ちこの本を手に取りました。伝記パートは面白く読みましたが、もっと彼の人柄やエピソードに触れてみたくなりましたね。哲学解説パートも自分では読み取れなかった部分や他の哲学者との関連等わかりやすく読めました。後半の著者の考えが結構入り込んでくる部分はいまいちでしたが、ショーペンハウアー入門には丁度良い内容とサイズだと思います。2019/01/30
あっきー
8
✴3 カントの正当な後継者を自認していたのでカントと、大きく影響を与えたニーチェを思想の解説でざっくり説明しているのが分かりやすくて良かった、がその比較で肝心のショーペンハウアーを説明しているところが今一つ分かりづらく理解が及ばなかった、ゲーテから影響を受けたり、ヴァーグナーからの一方的な敬愛の話や色々な人に影響力があったことなど周辺も勉強していくと発展して面白くなりそうだ2018/10/31