出版社内容情報
鈴木 修次[スズキ シュウジ]
著・文・その他
目次
1 杜甫の文学時代(杜甫とその時代;祖父杜審言の活躍;盛唐の文学と杜甫;杜甫の交友)
2 杜甫の生涯(杜甫の家系・家族;長い浪人生活;社会詩人への脱皮;役人生活と「詩史」;「三吏三別」と免官;放浪の旅立ち;成都の時代;晩年の旅―江上の放浪)
3 杜甫の文学思想(古典主義詩人の自覚;言語造形の格闘;たゆみなき脱皮と前衛芸術の可能性;「詩聖杜甫」の評価)
著者等紹介
鈴木修次[スズキシュウジ]
1923(大正12)年東京に生まれる。東京文理科大学卒。東京教育大学教授、広島大学教授、大阪教育大学教授、広島県立大学教授を歴任。文学博士。広島大学名誉教授。1989年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロビン
18
本書は、杜甫の生きた盛唐の時代背景や李白、王維ら杜甫と親交のあった詩人たちの解説などを含む「杜甫の文学時代」、家系や家族構成から始まり折々の代表作とともに年代順に杜甫の人生を紹介した「杜甫の生涯」、杜甫の詩を主義や芸術性、後世からの評価などの観点から眺めた「杜甫の文学思想」の3章から構成されている。代表作の一つで杜詩中2番目に長い詩である「北征」を「最長篇」だと書かれている点は気になるが、杜詩の特徴を「登高」における研ぎ澄まされた対句表現や「秋興八首」の倒装表現の工夫などで詳しく解説している良書と思う。2019/07/15