Century Books 人と思想 134<br> ミルトン

Century Books 人と思想 134
ミルトン

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784389411343
  • NDC分類 931
  • Cコード C1310

内容説明

若きひとりの文人が革命の渦中に投げこまれ、自ら予想もしなかった人生行路を歩むことになる。が、その間に私的にも公的にも張らざるをえなかった論陣と、身に受けざるをえなかった失明その他の不幸の重なりが、かえってかれを大叙事詩人へと成長させてゆくための思想的かつ文学的な滋養となった。本書の著者は、ミルトン(1608‐74)を文学史上の偉人として祭り上げることではなく、かれの時代のただなかを、ひとりの人間としてそれなりの労苦を背負いつつ、「真実の戦うキリスト信徒」として生きとおした姿に迫ろうとする。かれの文芸は世俗のただなかから生まれ出たものであった。

目次

第1章 ミルトン略伝―デッサンふうに
第2章 一六二八年の夏―叙事詩への志向
第3章 牧歌の時代
第4章 イタリア旅行―ひとつの幕間
第5章 論客として
第6章 ソネットと口述
第7章 王政復古前後
第8章 『楽園の喪失』をめぐって
第9章 最後の二作品
別項 ミルトンの神学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

51
【 しもべらに神は、この偉(おお)いなる結末から/真の経験を新たに学びとらせ、平安(やすらぎ)と/慰安(なぐさめ)と、心の静けさを授け、かれらを/立ち去らせた、激情はすべて鎮めて。(最後の作『闘技士サムソン』結びより)】『失楽園』(著者は『楽園の喪失』と題した)で有名なミルトン。「真実の戦うキリスト信徒」として生き通した、17世紀の詩人=思想家の成長の跡をたどった入門書。1997年刊。巻末に、年譜と参考文献と索引。<詩人の晩年は身辺不穏であったが、その心境は明鏡止水のごとくであったといえるであろう>と。⇒2025/04/22

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

15
ミルトンについては殆ど知らなかったので読んでよかった。読んだ目的は、ミルトンが「このような(カルヴァンの)神を私は尊敬できない」と言ったとウェーバーがプロ倫で書いていて、それについて知りたかった。ただ、それについては特に書かれていなかったものの、ミルトンが当初長老派から独立派に傾き、カルヴァンの二重予定説を批判したアルミニウムと同様な思想に到達したと書かれてあって納得。これ以上は無理をして調べなくてもよいだろう。2023/08/06

Edo Valens

2
ミルトンの著作に長く関わってきた研究者によるミルトン入門書。『失楽園』だけではない様々なミルトンの著作へと挑戦してゆきたい読者向けか。ミルトンの著作の下敷きとなる当時の時代背景なども詳しく解説されている。ミルトンは深く政治と関わっており、『失楽園』とて政治とまるっきり別物として読むことはできない事が説明されている。また、生涯を通じたミルトンの著作のテーマなども詳しく解説されており、ひとつ手元に置きながら本格的な研究への足がかりとするには適しているように思われる。巻末の参考文献も必要十分といった様子だ。2015/08/05

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