内容説明
本書は、ヒュームの生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。第1編の生涯編で、思想家の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、第2編では、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。
目次
1 ヒュームの生涯(ヒュームの時代;ヒュームの生涯)
2 ヒュームの思想(知性を主題として;情念を主題として;道徳を主題として;宗教思想;政治思想;経済思想;ヒュームから学ぶこと)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
この清水書院の人と思想シリーズは結構対象読者層を高校生から大学生にしているようなので、私は数冊を読んだだけですがわかりやすく感じています。ヒュームの主著「人性論」が書かれる経緯などを読ませてくれますが、とくにエピソードなどを交えてくれたりするのでさらっと読める気がしました。アダム・スミスとはまた違った意味で哲学とかある意味社会科学の始祖のような感じを受けました。2016/02/12
mikio
7
自身ノイローゼの克服のため、ストア哲学の書を読み、理性により自分の気質を改善し反省により人生の逆境や苦難に耐えようと試みたが挫折。ただその際に、理性による自己鍛錬の限界を感じるとともに、理性の背後にある「情念」の大切さを理解したというから、まさに経験を軸とした思想といえる。知識は感覚的な経験に基づくものであり、因果関係すらも経験と習慣に過ぎない。その思想は哲学・宗教にとどまらず、政治・経済・歴史・社会思想にまで及ぶのだから多才。哲学史としてはカントを独断のまどろみから覚醒させたことは要所となるだろう。 2025/10/12
ステビア
5
最初の一冊はこれだな。このシリーズ割と良書多い。地味だけど。2013/11/05
Masa03
0
このシリーズ3冊目だが、一番のめり込めなかった。まぁ、前の2冊も一気に読破とはいかなかったが。。。 理由は単純で、3人の中でヒュームを一番知らなかったから。 なので、内容については言及を避けます。 科学者や、哲学者の歴史を学べば学ぶほど、近世以前というのはある意味で幸せな時代だったのかもしれないと思う。今日見られるような学問間の垣根は低いかほとんどなく、学者を志した人間には目の前に無限の可能性を…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2012/11/28
えむ
0
ヒュームの生涯と思想を概説。思想の解説では、主著『人性論』を中心に、政治、経済、宗教などの領域まで取り上げられていた。政治論などを中心に、機会があれば原典にも当たってみたい。2016/10/07