出版社内容情報
福田 清人[フクダ キヨト]
著・文・その他
浜野 卓也[ハマノ タクヤ]
著・文・その他
内容説明
雪深い北国の優雅な伝統の街金沢に、古典的芸術家の血をうけて生まれた泉鏡花は、若くしていった美しい母への慕情のたゆたいの中で、作家としての詩魂を磨いていった。明治・大正・昭和を通じて、鏡花ほど日本女性の美しさを文学的に結晶させた作家は他にあるまい。それは、女体の妖しい美にひざまずく谷崎潤一郎の享楽主義とも、また、悲しいほどに澄んだまなざしで女性の性情の陰影を繊細に描く川端康成の虚無主義とも違う。それは、人間界に存在する善なるもの、美なるものの象徴として女性を描こうとするロマンチシズムが、流れるような才筆による文体とともに見事に開花したものにほかならない。
目次
第1編 泉鏡花の生涯(北国慕情;絶望と執念と;抵抗するロマンチシズム;苦難の恋;赤まんまの詩)
第2編 作品と解説(夜行巡査;外科室;照葉狂言;高野聖;歌行燈 ほか)
著者等紹介
福田清人[フクダキヨト]
1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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