内容説明
小説家、戯曲家、評論家、翻訳家として活躍し、近代日本文学に夏目漱石とともに大きな影響を与えた森鴎外は、文久二年津和野藩(島根県)の典医の家に生まれた。幼い頃から儒教と医学を学び、当時の東京医学校(のち東京大学医学部)に十三歳で入学し、二十歳で卒業するほどの神童であった。卒業後軍医として二十三歳でドイツに留学、専門の医学のあいまに文学、哲学、美術、演劇に親しんだ。帰朝後陸軍軍医学校教官、校長、第一師団軍医部長、陸軍軍医総監になり、かたわら『於母影』『舞姫』『即興詩人』『ヰタ・セクスアリス』『雁』などの翻訳や現代小説、『阿部一族』『山椒大夫』などの歴史小説、『渋江抽斎』などの史伝と、知的・客観的作品を発表、学術・芸術に輝かしい文化功績を残して、大正十一年七月、六十一年の生涯を閉じた。
目次
第1編 森鴎外の生涯(津和野の天才少年;十三歳の医学生;ドイツに留学;文学への出発;苦しみの中で;ふたたび文壇へ;晩年)
第2編 作品と解説(舞姫;雁;阿部一族;山椒大夫;高瀬舟)
著者等紹介
福田清人[フクダキヨト]
1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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