感想・レビュー
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賢治は終生、表現上の擬人法ではなくあらゆる生物、無生物に生命、魂を感じて生きてきた。第一次世界大戦の徴兵を免れて研究科に残り土性調査。法華経の信仰に厚く、弱い身体で菜食生活。農学校の教師となり教科書も見ない自由な授業。詩集「春と修羅」を出版。修羅とは悪神の意。理想の幸福が発現しない世界は修羅の世界。一番の味方の妹トシの死は最もショックな出来事。休職中の同僚に給料の援助をしたが、自己満足に助けるのはやめてくれと言われる。農民になる決意をするが妬まれる。賢治の生い立ちを知ることで詩を読む時の味わいが深まった。2022/04/01