内容説明
痛くて、哀しくて、優しい。静かで、激しい。谷川俊太郎の清冽な詩の宇宙。
目次
朝のかたち
男と女
父の歌
古き良き機械たちに
憤りと哀しみのソネット
私が歌う理由
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくらさん
15
コトバの選択とひらがな、漢字の使い方が秀逸だ。 迷うことがある時にふと手に取ってしまう谷川さんの詩集。 ここ、ほほえみが今の私にはキュッとなった。 読むタイミングによって感じ方が変わるから 確かめることが出来るよう、 いつも手に届くところに置いておきたい。 二子玉川本屋博にて購入。 歩きながら読了。2020/02/02
Maiラピ
10
森にけものがいなくなった日 森はひっそり息をこらした 森にけものがいなくなった日 ヒトは道路をつくりつづけた 海に魚がいなくなった日 海はうつろにうねりうめいた 海に魚がいなくなった日 ヒトは港をつくりつづけた 街に子どもがいなくなった日 街はなおさらにぎやかだった 街に子どもがいなくなった日 ヒトは公園をつくりつづけた ヒトに自分がいなくなった日 ヒトはたがいにとても似ていた ヒトに自分がいなくなった日 ヒトは未来を信じつづけた 2011/04/12
ochatomo
7
デビュー前の中島みゆきへ衝撃を与えた詩「私が歌う理由」を収める https://www.tapthepop.net/news/76997 全体に孤独を感じ、文明の暗さも感じる 元本1974年 1990刊2025/03/03
Yuko
3
<痛くて、哀しくて、優しい。静かで、激しい。谷川俊太郎の清冽な詩の宇宙> 詩の世界に浸る時間 日常を飛び越える 題名詩は合唱曲にもなっていました。 https://www.youtube.com/watch?v=jRzWV9TSqAc 2017/01/30
深海
2
谷川さんの本は心がつかれている時、何だか余裕がない時、ふと手にとってしまいます。たっぷりとした余白が心地よい本でした。言葉が自然に入ってくるのです。二度三度と読み返し、忘れたころにまた手にとり、何度も楽しめる作品。言葉だけで話そうとする人が多く、うんざりしてしまうこともあるけれど、その力を信じている自分もいて。言葉は私にとって不思議な存在です。この本に並んでいる言葉は何かを強いるわけでもなく、ただただそこにあって、とても優しいです。2012/12/17