内容説明
舞台に立つシーアの目は、魔方のようにタクトを振る男に釘づけになっている。彼こそ、天才指揮者ジェレミー・デイヴィッドソン。合唱団の一員として、憧れの指揮者との共演に胸ときめかせていた、16のシーアの心を傷つけた男。人前であからさまに非難されたあの日のことは、かたときも忘れることはなかった。あれから12年―。今やシーアは美貌と才能をうたわれるオペラ界のプリマドンナ。ジェレミーに決してひけをとらない自信をもっている。尊大なジェレミーを見返そうと待ち望んだときがようやくおとずれたのだ。
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- 和書
- 製図記号 〈8〉 化学編