内容説明
刻一刻、男たちの歌声が近づいてくる。うす暗いあずまやの隅でジゼラは恐ろしさに震えていた―。ヴァイオリニストの父と共に各国を演奏旅行してまわり、ようやく訪れた音楽の都、ウィーン。父の話してくれたウィーンの森にロマンティックな憧れを抱いて宵闇にまぎれて足を踏み入れたジゼラは、酔っ払った男たちの一団に出くわした。「どうか見つかりませんように…」目に入ったあずまやにとびこんで、祈るジゼラ。そのとき、ひとりの男が入口に現れた。
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- 和書
- ボーン・クロックス