内容説明
「ホレイショ・スタブス」シリーズ第三部の本書は、インドネシア独立前夜と混沌と騒擾の真只中、性と死を隣り合わせの現実として体験するホレイショの魂の目覚めを綴る、オールディスの自伝的青春小説である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
2
作者オールディス自身かと思わせるホレイショ・スタブスの成長を、性と戦争を通して描く三部作の最終巻。この巻では第二次世界大戦は終結し、日本軍が去りインドネシア独立前夜のスマトラでの出来事が語られる。戦争終結後も人種間のにくしみの炎は消えず、主人公ホレイショは本能が赴くままに中国からやってきた女性や現地の女性と関係を持つが、女性関係に節操がないホレイショは不幸のタネをまいたまま、任務が解かれ故国イギリスへと帰っていく。むなしさだけが残る作品だった。2010/08/28
