内容説明
インド・ヨーロッパ語族のなか、一大勢力をなして存在感を示すスラヴ系の諸言語。その「歴史と分類」「言語特徴」「文字と音」を簡明・平易に解説し、現代ヨーロッパの知られざる言語問題に説き及ぶ。初めての、斬新なスラヴ語入門。
目次
第1章 スラヴ語の特徴(印欧語族の中のスラヴ語;共通スラヴ語 ほか)
第2章 スラヴ語の文字文化(スラヴ語圏の文字文化とキリスト教;グラゴル文字と古教会スラヴ語 ほか)
第3章 現代スラヴ語各説(東スラヴ語;西スラヴ語 ほか)
第4章 スラヴ語と現代社会(帝国の遺産その1―ウクライナとベラルーシの言語事情;帝国の遺産その2―スルジクとトラシャンカ ほか)
第5章 図書案内―さらに詳しく知るために
著者等紹介
三谷惠子[ミタニケイコ]
東京生まれ。東京大学文学部卒、東京大学大学院博士課程修了。東京大学文学部助手、筑波大学文芸言語学系助教授をへて、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は言語学・スラヴ語学・スラヴ言語文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サアベドラ
5
現代スラヴ語の音韻、形態、統語的特徴および歴史が簡潔にまとめられている。スラヴ語派は他の印欧語派に比べ同質性が高い分、細かい所に微妙な差異があるので、本書のようにまとめて扱ってくれると違いが掴みやすくて便利ですね。2011/10/26
我門隆星
5
「入門」というタイトルを信じると痛い目にあうかもしれない書籍。ロシア語を知り、「アオリスト」が雰囲気に理解できれば、まだなんとか。スラヴ諸語を概観する良書。2011/09/24
ががが
4
スラブの言語はロシア語ぐらいしか自分はやってないので、少し読むのに苦労した。スラブ語は同じような特徴を持つ言語が多いのだとか。比較するようにしてスラブ諸語をグループごと、言語ごとに分けて解説しているので違いを見つけやすい。同じ東スラブ諸語でも、ウクライナ語とベラルーシ語の向かう方向が全然違うことや、地理的に他のグループの言語の影響を受けていると思われるブルガリア語とマケドニア語が個人的に興味深かった。いくつかスラブの言葉を勉強してからもう一度読みたいと思う。2014/08/19
Koning
4
日本語で出ている本として現代のスラヴ語を網羅したありがたい本。和書ならではのカタカナ表記の例は良いと思う。薄い割に中味の濃い良書と言って良いと思う。2011/08/29
ちゃせん
4
スラヴ語派の言語について、言語学的、歴史的、社会的など、様々な視点から解説した本。スラヴ語についてまとまって読める日本語の本は非常に貴重であるし、それぞれの言語について丁寧な解説がなされている良書。2011/08/10