出版社内容情報
近代啓蒙のさきがけ『同人社文学雑誌』についての画期的論考。
『西国立志編』『自由の理』の翻訳で知られ、明治の啓蒙思想を牽引した中村正直(敬宇)が明治9年から16年にかけて主筆をつとめた『同人社文学雑誌』は、歴史、伝記、学術、政治、宗教、哲学、詩歌など広範な内容を和文と漢文を用いて記した雑誌である。
漢文の多用ゆえに研究が停滞していた本雑誌について、文体・表記・翻訳史の視点、漢詩・漢文を中心とした王治本ら日中文化人の交流、中村正直を中心とした大野大衛・井上哲次郎ら同人社メンバーの三つの軸から論考を展開する。
【目次】
内容説明
近代啓蒙のさきがけ。明治の啓蒙思想家、中村正直(敬字)が明治九年から十六年にかけて主筆をつとめた『同人社文学雑誌』は、歴史、伝記、学術、政治、宗教、哲学、詩歌など広範な内容を和文と漢文を用いて記した雑誌である。漢文の多用ゆえに研究が停滞していた本雑誌について、文体・表記・翻訳史の視点、漢詩・漢文を中心とした日中文化人の交流、中村正直を中心とした同人社メンバーの三つの軸から論考を展開する。
目次
序 中村敬宇と『同人社文学雑誌』(明治九‐十六年)(陳力衛)
近代知としての日本漢文と中国的受容(章清;陳力衛)
中村敬宇の自然史志向性に関する一試論―『同人社文学雑誌』を中心に―(李梁)
『同人社文学雑誌』と来日した中国の人々(陳捷)
明治期来日中国民間文化人王治本について―その経歴をめぐって―(王宝平)
同人社社員大野太衛とその『近史偶論』(陳力衛)
井上哲次郎の漢文著述概観(陳力衛)
もう一つの「言文一致」―中村敬宇・加藤弘之の講演・演説、論説文の文体についての試論―(李長波)
『同人社文学雑誌』に見る国語国字問題―資料と考察―(木村義之)
『同人社文学雑誌』の外国語のカタカナ表記から外来語へ(木村一)
『同人社文学雑誌』総目録(李長波)
著者等紹介
陳力衛[チンリキエイ]
成城大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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