出版社内容情報
日本語研究の最前線をゆく執筆陣による「キャラ」と「日本語」をめぐる論文集。縦横無尽に論じる11篇。日本語研究の最前線をゆく執筆陣による「キャラ」と「日本語」をめぐる論文集。「さまざまな「キャラ」」「物語世界のキャラ論」「現実世界のキャラ論」「キャラ論の応用」の4章、縦横無尽に論じる11篇。
定延 利之[サダノブトシユキ]
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内容説明
学校ではこんなキャラ、バイト先ではあんなキャラ…「キャラ」についての学際的研究4章11篇!
目次
第1章 さまざまな「キャラ」(キャラ論の前提;日本語コーパスにおける「キャラ(クター)」)
第2章 物語世界のキャラ論(キャラクターとフィクション 宮崎駿監督のアニメ作品、村上春樹の小説をケーススタディとして;「属性表現」再考 「複合性」「非現実性」「知識の共有」から考える ほか)
第3章 現実世界のキャラ論(日本語社会における「キャラ」;ブルデューの「ハビトゥス」と定延の「キャラ」との出会い ほか)
第4章 キャラ論の応用(方言における自称詞・自称詞系文末詞の用法―キャラ助詞とのかかわり;日本語教育とキャラ)
著者等紹介
定延利之[サダノブトシユキ]
京都大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専攻は言語学・コミュニケーション論。軽視・無視されがちな「周辺的」な現象の考察を通じて言語研究・コミュニケーション研究の前提に再検討を加えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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センケイ (線形)
7
登場人物についての本か、現実についての本かというと、嬉しいことに両方なのだ。言葉の端々から想像させるその人物像や、ときにそれを使いこなす必要性が出てくる社会の動向(特に、最近では顕著に使い分けも必要になってきている)に、まずは心を掴まれる。そのさまがステレオタイプ的なイメージを再生産しないかという議論の延長線上に日本語教育の議論も重なり、社会問題の観点からも興味がわく。さらに一方で、「平安貴族」キャラや神崎蘭子といった個性の出る言葉の使いまわしに学問として真摯に向かうさまに、大変心をくすぐられる。2019/07/21