内容説明
木造の帆船は、どんな場所で、どのような工法で建造されたのか。帆船の内部の様子を断面図で確かめる。見かけよりずっと狭苦しいその船内。造船所の職人や帆船の乗組員には、どんな役割分担があったのか。広大な外洋を航行するために、どんな道具を使ったのか。航海術の原理を図解する。敵船の風上に回ったものが勝利する。帆船同士の海の戦い。風だけが頼りの帆船をどのように航行させたのか。帆と索具の働き。コグ、キャラヴェル、キャラック、ガレオン、クリッパー。帆船の歴史的変化を追う。
目次
ガレオン出現まで
世界を巡る1488~1580年
マリー・ローズ号1545年
船上生活
新船建造
貯木場
造船所職人の一日
竜骨からの立ち上がり
職人集団
大砲、帆およびロープ
新造ガレオンの進水
出帆準備
船首寄り内部
船尾寄り内部
索具とその働き
士官と兵員
航海術
戦うガレオン
貿易と略奪
ガレオン以降
ガレオン事跡
用語解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むらきち
8
18世紀前後の帆船の資料はあるけど、16世紀はあまり、というかほとんど見かけたことありません。絵本のような感じだけれど、細かいところまでしっかり描かれてるし、内容も濃いもので良かった。訳者さんも帆船物を色々書かれている方で安心です。2020/02/11
Rootport Blindwatchmaker
2
「こんな本が欲しかったんだ!」と思わず叫んだ。コロンブスが新大陸に到達したときに乗っていたのは全長わずか19mのキャラック船だった。が、その100年後には巨大なガレオン船が建造されて、新旧大陸の貿易で主役を務めた。時代でいえばエリザベス女王やフランシス・ドレイクが活躍し、アルマダの海戦が起きた頃だ。映画ではもっと後の時代が描かれることが多く(たとえば『提督の艦隊』は17世紀、『パイレーツ・オブ・カリビアン』は18世紀初頭、『マスター&コマンダー』は19世紀が舞台)、この時代の帆船の画像資料は少ない。2016/01/29