出版社内容情報
絶え間なく生成変化し続ける、ジャンル横断的な作家、J・G・バラードの本邦初の評伝
ジャンルの故国喪失者としての側面をポジティヴな創作上のエネルギーに転換し続けてきた作家としてのバラードに着目し、単一のカテゴリーに回収しきれない彼の多様な作品群を歴史的背景や彼自身の伝記的事実と照らし合わせながら、時系列順に読み解いていく。
【目次】
内容説明
〈英語〉文学の現在への扉を開く。J・G・バラードの文学的冒険の旅を辿る。絶え間なく生成変化し続けるジャンル横断的な作品群を歴史的背景や伝記的事実と照らし合わせながら時系列に読み解く。
目次
第一章 「SF作家」としての出発
第二章 破滅三部作
第三章 文学的実験と充実期
第四章 テクノロジー三部作から神話的ファンタジー小説へ
第五章 カルトからメインストリームへ
第六章 試行錯誤と円熟
第七章 晩年四部作
著者等紹介
奥畑豊[オクハタユタカ]
1990年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。ロンドン大学バークベック校大学院でPh.D.取得。現在、日本女子大学文学部准教授。専門は現代イギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
115
文学とは作家が生きた時代や社会について、表現する欲求を形にする営為だと著者はみる。その視点から若き日に20世紀の不条理に翻弄されたバラードは、歴史のカオスを映す鏡として小説を書いたと捉える。SFという形式を選んだのも、不条理が増殖した世界を描くのに好適だったからではないかと。だからこそ破滅三部作では自然崩壊後の絶望を、テクノロジー三部作はハイテク社会の裏面を、晩年四部作では正義と悪の逆転などの極限状況を描いたと。過去の文学から何も学ばなかったというバラードの言葉は、己のオリジナリティーへの自信だったのか。2026/05/10
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