内容説明
クリスマス間近のニューヨーク・チャイナタウンに4発の銃声が響きわたった。イタリア・レストランの店主ダヌンツィオが殺されたのだ。鍵を握るのは女浮浪者のサディ。同じ頃、大財団の御曹子ロバート・サージャント・キッドが印象派絵画のコレクションを売りに出した。3630万ドルを手にしたキッド家の総帥が企てるクリスマスの大取引。それに群らがる商品取引仲介人たち。五分署刑事たちの捜査は茶色のベンツ、アラブ過激派、上院議員T・ベイリーにまで及んだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
5
マクベインの本でかくも時間が掛ったことはない。何度か途中でやめようと思った。サウジの戦争絡みで騰貴見込みの銀先物で儲けようとする金持と仲買人。これに絡むアラブ人の殺人者一団。しかし物語は一向に進まず金持ち家族の崩壊や刑事の離婚話を長々描写される。87分署ならぬ5分署を舞台に新たな作家的展開を図ったのかしれないが、馴染みの刑事たちの台詞ではないからそのやり取りもイメージできない。訳の井上氏も代作なのか?折角の地名実名使用でもNYのStとAvが逆だ。先物に「口数」は無いだろう。標題だが中国マフィアも無関係だ。2020/03/21