内容説明
予見に満ちた、いわば「現代の聖書」!人間は変わりうる存在であり、可能性を開発・探究することによって健全な真の人間のあり様が獲得できる。それは全体的であると同時に力動に満ちたものである。死後、ますますその名声が高まりつつあるマズロー畢世の名著。
目次
科学への心理学的アプローチ
科学における問題中心的傾向対手段中心的傾向
動機づけ理論序説
人間の動機づけに関する理論
心理学理論における基本的欲求満足の役割
基本的欲求の本能的性質
高次の欲求と低次の欲求
精神病理の発生と脅威の理論
破壊性は本能的なものか
行動の表出的要素
自己実現的人間―心理学的健康の研究
自己実現的人間における愛
個人と人間の認知
動機づけられていない無目的な反応
心理療法、健康、動機づけ
正常、健康、価値
心理学への積極的アプローチによって生まれる諸問題
人格研究の全体的―力動的理論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
58
明日は校長に授業案を見てもらってますが、現代社会でマズロー。この本は市立図書館書庫から調達。なかなか、厚い本ですが、例の階層説のところは20ページくらい。コピーして閲覧してもらいます。モンテスキューの三権分立の図式もないように、図式は後から学ぶ人向けに書かれたものですね。でも、音読したら説得力あるので、生理的欲求のみで亡くなる人は忍びない。自己実現欲求満たしたいですね。2022/06/28
コウメ
48
マズローの心理学は1度読んだことがあるがしっかり読んだのは今回が初めて、マズローで有名なのが「欲求階層説」マズローがいうには大きく欲求は5つに分類されており低次から「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」に分かれている。一番下の欲求(生理的欲求)がある程度満たされば次の欲求を求める。/ここである疑問がでる。例えば生理的欲求に分類される、食欲が満たされば次の欲求が湧き上がるが再び空腹を感じれば生理的欲求に支配されるのかと、、2021/11/27
テツ
13
マズローが語った欲求階層説。食って寝るみたいな生存するために必要な低次の欲はそれが満たされれば消えるのだけれど、承認や自己実現を求めてしまう欲望には限りがない。そういった類の欲が完全に満たされるなどあり得ないことだし、一時的に満たされたとしても無意識のうちに更に強い承認や、高みにいる自分を求めてしまうのだから。自分自身に至ること、至った自分自身であり続けることを人は求める。自分の内側に得体の知れないモヤモヤを見つけたときって原因は大抵そのあたりにある。高次の欲求をしっかりと自覚することが幸福に繋がる。2023/12/15
ざっく
13
分厚さに圧倒されるが読み切った。まともに読んでもわからないので、さっと読んだ箇所も多いが、思っていたよりは理解できた。マズローといえば、欲求5段階説で、その話が詳しく書かれている。人間の取扱い説明書と言ってはさすがに過言か。しかし、ここまで体系化された心理学の本はないのではないか。ある程度欲求が高次である程、利己性が減少し、自己実現者の行為は利己的であり、同時に利己的でない。これが自己超越と言われるものなのだろう。自己超越を目指して、日々を過ごすことを忘れないように、この本も定期的に読み直したい。2021/09/10
タケヒロ
13
この本は、非常にポジティブになれる。いや、それを超越する事が出来る。「自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければならない。人は、自分がなりうるものにならなければならない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。このような欲求を、自己実現の欲求と呼ぶことができるであろう」(そうすると、)「何かに向かって努力することは結果として努力しないことにつながるのである。」といった言葉が印象的。 我々の内、どれだけの人がそうだろうか?2015/02/22