内容説明
時代に挑んだ女性たち。その短歌に託したメッセージを読み解く。
目次
福田英子―あに読書に時ならんや(『妾の半生涯』)
清水豊子―文明の歴史は女権拡張の歴史なり(『東洋之婦女』序文)
樋口一葉―誠にわれは女成りけるものを(「日記」1896年2月20日)
管野スガ―やがて来む終の日思ひ限りなき(石川三四郎宛て「葉書」1911年1月14日)
梨本伊都子―辛抱さえしていれば必ず(『三代の天皇と私』)
野上弥生子―全く私の晩年はなんとおもしろいのだらう(「日記」1951年9月24日)
平塚らいてう―詩もいらない、歌もいらない(「高原の秋」)
生田花世―心は杭のようにぢつと立つ(『燃ゆる頭』)
高群逸枝―姑息な態度を一擲して(「火の国の女の日記」1925年9月17日)
素木しづ―小説家たるべき天分と運命と(「私一人のこと」)〔ほか〕
感想・レビュー
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松本直哉
11
萩原朔太郎の言うように、思想とは意匠でしかないのだろうか。時流に合せて適当に脱いだり着替えたりするものなのか。アナキズムや共産主義やフェミニズムを奉じていたのに大戦中にいとも簡単に戦争協力に衣替えする人々の軌跡を読みながら思った。戦後も、左翼運動に挫折するとあっさり髪を切って一般企業に就職していった人たちにとっては革命ごっこでしかなかったのか。思想とはそんなに薄っぺらいものなのか。死刑から無期への特赦状を破り捨てたという金子文子のような剛毅さで思想を貫く人は少ない。2015/06/15
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