内容説明
中国に残留する朝鮮人元「慰安婦」たちからの聞き取り調査。日本によって連行され、日本の敗戦後も中国にとどまらざるをえなかった女性たちの苦難と望郷の思いを記録する。
目次
概要 調査報告を出すまで
家の中でも、外に出てもみじめだ
顔が可愛いばかりに、さきに売られた
かしこい人はみんな死んで、ぼんやり者ばかりが生き残った
故郷恋しさに心を病んだことも
朝鮮に帰りたい、朝鮮で死んでもよい
今はただ死ぬのを待つだけ
子守をするつもりでついていった
私の名はペク・ノプテギ
名前も年も、みな忘れてしまった
故郷の歌に悲しみをこめて…
調査報告 武漢地域の慰安所
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YUTAKA T
6
慰安婦の証言をひとつひとつ読みながら、本当に女性であるがゆえに語りたくない事情、その場を通過しなければわからない事情、が非常にたくさんあるんだなあ、ということをしみじみと感じさせてくれた本。慰安婦の証言なんか信じられない、とか、嘘だ、という暴言を吐く人にもじっくり読むことを薦めたい。そして彼女たちの痛みを知ってほしいと思った。そういう彼女たちの痛みを知って同情の涙を流すことのできる日本になってこそ、日本の未来があるのだとしみじみ思う。非常にていねいな編集で慰安婦の痛みを実感させてくれた著者、翻訳者に感謝。2009/01/27
みなみ
4
慰安婦の聞き取り調査。朝鮮半島から中国に連れられていき、いまも中国に暮らすハルモニ（おばあちゃん）たちの話。自分の国の言葉を忘れ、故郷に帰りたいと願う彼女たちは本当に気の毒で、本来は語り継いでいかなければならないことなのに、日本ではいまや慰安婦問題は朝日新聞が捏造したことになっている。とんでもないことだ…2019/08/20
