内容説明
被差別部落の歴史研究に数かずの新風を吹き込んだ著者が、「天皇制と部落差別」の歴史に、本格的でまったく新しい視点から論究。
目次
第1章 天皇制と部落差別の歴史
第2章 部落史の見方の転換
第3章 家(戸籍)制度がもたらす差別
第4章 日本資本主義と部落差別
第5章 部落解放反対騒擾と今日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
27
図書館本。被差別民が発生したのは近代になってからだというのが通説だ。そんなアホな思っていた。少なくとも中世まではその発生が遡れる。この著者は天皇による中央集権体勢の発足とともに生じたとみる。農民を積極的な納税者にさせるために、納税を逃れる者と穢れのある者を賤民として見下したということだ。納税を逃れるため勝手に坊主になる者は濫僧と呼ばれた。これが後に非人と呼ばれるようになる。屠殺や死者の埋葬などに従事していた者は穢れを厭う神道の考え方から屠者と呼ばれた。これが後に穢多と呼ばれるようになる。なるほど。2016/06/17
makoppe
0
すごくわかりやすく、示唆に富んだ一冊だった。部落問題はいまだ残っている。それは、いまだに韓国、中国に体する差別がのこる仕組みがそのままなことからも明らかだと言える。そこには中心と周辺を作り出す天皇制、必然的に格差を生む資本主義生産様式という二つの仕組みが見え隠れしている。2014/05/14
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