出版社内容情報
河野貴代美[カワノキヨミ]
著・文・その他/編集
目次
第1章 モザイク模様のフェミニズム
第2章 差別する/差別されるという個人的体験
第3章 次世代との交流におけるフェミニズム
第4章 少女マンガに描かれたシスターフッド
第5章 自由に、闊達に、謙虚に生きる
第6章 やわらかいフェミニズムの体験 執筆者座談会
著者等紹介
河野貴代美[カワノキヨミ]
1939年生まれ。シモンズ大学社会事業大学院修了(MS)、元お茶の水大学教授。専門:フェミニストカウンセリング、臨床心理学、フェミニズム理論、社会福祉。日本にフェミニストカウンセリングの理論と実践を初めて紹介し、各地におけるカウンセリング・ルームの開設を援助。後、学会設立や学会での資格認定に貢献(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
54
【クライエントから多くを学んだ。話し合いの中で開陳された困難、苦渋、痛み、悲しみ、達成感。それらをお互い共有できた。カウンセラーは与える一方ではない】さまざまな視点から“お互いに役に立つ、支え合う”フェミニズムやシスターフッドについて綴った書。11本の寄稿と、最終章の執筆者座談会。<個別にフェミニストとして生きてきた数十年の過程から、やはりフェミニズムをよく知ってもらいたい。フェミニストとして生きることはとても自由闊達な楽な生き方だということをもっと知ってもらいたい、というところを展開してみたい>と。⇒2024/07/03
カモメ
4
個人として尊重されて主体的に生きることは社会に利用されるという矛盾をはらむ。働き稼ぎ成功することは現状の労働構造で成り立つし、性的に解放される事が男性に都合の良いように消費されることは有り得る。社会構造を理解しながら欲望を実現していくのにはどうしたら良いかという問いの難しさを感じた。フェミニズムだからこうすべきという教条主義は呪いのようなもので本末転倒である。巻末の座談会での、差別をなくそうというスローガンよりもオープンな関係性のなかで差別だよと言える方が建設的という意見も印象に残った。2023/03/08