内容説明
十七世紀のスペイン・コルドバ。カトリック教会の異端審問の嵐が吹きあれる中、父を殺され、母を投獄され、弟を黒死病で失ったユダヤ人少年カルロスは、ふるさとの地をあとにする。母をかならず救出すると決心した彼をささえるフランス人画商、男気あふれる船長、そして年老いた召し使い。民族・宗教をこえてさしのべられた彼らの手は、カルロスのゆくてを照らす。
著者等紹介
オルガッド,ドリット[オルガッド,ドリット][Orgad,Dorit]
ナチス政権下のドイツに生まれ、1939年、2歳の時、家族とともに現イスラエルに帰還。ヘブライ大学にて経済学、社会学を修め、教師およびジャーナリストになる。その後バル・イラン大学にてユダヤ哲学博士号取得。50冊の著作のうちのほとんどが、イスラエル国内テレビ、ラジオで脚色放送され、各賞受賞
樋口範子[ヒグチノリコ]
1949年生まれ。立教女学院高校卒業と同時にイスラエルに渡り、二年間キブツ・カブリ・アボガド園で働く。帰国後、山中湖畔児童養護施設保母、パン屋を経て、現在は同地で喫茶店を営む
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
5
スペインが異端審問で荒れていた時代、ユダヤ人の少年が過酷な運命を切り拓いていく。2014/05/19
ヒラタ
1
悲惨な体験を 静かに語っていますが、歴史を知れば過酷な時代だとわかります。少しでも穏やかなラストでページを閉じれてよかった。中表紙にあるアントウェルペンの少年の肖像画、いつか又行けたならばじっくりと観てみたい。2025/04/10
けい
1
アイデンティティーとは。 生まれついての血統、宗教、それゆえに、過酷な生活を送らねばならなくなる主人公。 過酷な環境は、子供を早く大人にしてしまうのだろうか。 2012/06/09