内容説明
はじめて訪ねてきた父の恋人を、とまどいと不安でむかえるロニ。飛行機で飛ぶことは夢の夢、空港のそうじボーイ、オスマン。「人食い」と友が呼ぶ男を、さらに追いつめる元になったぼく。寝ているあいだにしばられて、声もだせずにいるマヌエル。人目をおそれて、外へ出たがる妹を行かせまいとするビョルン。お金をとったと疑われても、わたしじゃないと言えないクララ。みんな、小さな勇気と、少しのやさしさがほしい子どもたち。
著者等紹介
コルドン,クラウス[コルドン,クラウス][Kordon,Klaus]
1943年ベルリン(旧東地区)生まれ。1973年に西ドイツへ移住し、1977年に作家としてデビュー。以来1979年のドイツ児童文学賞候補作品『友だちのような兄弟』など、児童やヤングアダルト向けの話題作を数多く発表し、ドイツ国内や国外の賞を数多く受けている。題材として多くとりあげるのは、彼自身が旧東ドイツ時代に商用で訪れたことのある第三世界の現状、19・20世紀のドイツ史、および麻薬、環境問題といった緊急課題であるが、常に社会の弱者に目を注ぐことを忘れない
松沢あさか[マツザワアサカ]
1932年、愛知県生まれ。名古屋大学文学部文学科(ドイツ文学専攻)卒業
いよりあきこ[イヨリアキコ]
1964年、埼玉県生まれ。セツモードセミナー卒業。講談社フェーマススクールズ卒業
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感想・レビュー
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kocka
12
思春期の子どもたちの気持ちの機微が描かれている短編集。「人食い」と友が呼ぶ男を、さらに追いつめる元になった「ぼく」、は悲しい話でした。 2015/11/13
たみこ
3
ハッピーエンドからもやもやの残る話まで。 子供の不安定な感じをよく表現している短編集。大人になるとだいたい忘れてしまうけど、子供の時ってわりと保身(自分の立ち位置の確保とか物欲とか)のためにいろいろ考えてて、結構自分勝手なことをすることもあったな、と思いだした。子供は純粋素直って言われるけど、打算的なときも、空気を読んで感情とは違う振る舞いをしたりするときもあって、大人が考えているほど何もかもありのまま素直に表現したりしてなかったような記憶が読んでてよみがえった。私がそうだっただけかもしれないけど。2013/10/06
ニッキー
0
都築図書館2012/06/18