内容説明
メルルはもうすぐ七歳の少女、父さんは名もない画家だ。ふたりは、町から町へ、村から村へとキャンピングカーで旅をしながら、絵を描き、描いた絵を路上で売る。かたつむりのように家を引っぱってあるき、好きなところに住めるのを、父さんは、とてもすてきな暮らしだと思っている。メルルも、それはすてきだと思う。でも、メルルには、残念なことがふたつあった。それは、友だちがいないこと、歌をうたえないことだ…。小学校中級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かたばみ
1
赤木かん子さんの「今こそ読みたい児童文学100」で紹介されていた一冊。鬱の親を支える生活はある意味親と子の役割が逆転していて子どもにとっては過酷な日々であることよ。・・・昔の本のせいか話のテンポがゆっくりで牧歌的であるのが救いではありました。2017/05/24
Sinrin
0
90年代の児童書。昭和から平成になって、アニメや本の主人公は傷を負っていないと支持されなくなったようだ。碇シンジくんやハリーポッターがそうさせたのか、時代のチカラか。主人公のメルルは父と旅をしている。父は時に鬱だったりするがそんな父と2人きりで。現代でこの設定だと重い話になるかもしれない。古い本なのでこどもが読むにはいいぬるさになっている。碇くんが成長するのを見守るより、ある意味もっとハラハラする。鬱や放置子を無意識に描いた怖さ。メルルが7歳になったばかりというのが希望か。いつか彼女が歌えますように。2016/03/25
田(゚_ 。)村
0
1998/04