出版社内容情報
すごい物語ですね。日本のトキのたどった道にくらべると、やっぱり発想の違いに驚かされます。事実に基づきながらも、ミステリー仕立ての内容と美しい絵がたいへん興味深く、母鳥のけなげさにはジーンときました。
小学校中学年から
内容説明
ニュージーランド本島から東に1000キロはなれたチャタム諸島。その島々には、何千年ものあいだ、さまざまな種類の鳥たちがのどかにくらしていました。ところがそこに人間が住むようになったとき、島のようすは大きく変わってしまいました。そして気がついてみると、世界でそこだけに生息する黒い小鳥、ブラックロビンが絶滅の危機にさらされていたのです。これは、1羽のたぐいまれな母鳥、オールド・ブルーの一生とブラックロビンを救うために、力をつくした人々の記録です。小学初級以上向き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小夜風
24
【図書館】先日「トキのキンちゃん」を読んだばかりなので、絶滅の危機に瀕した種を守ることがどんなに難しいか思い知らされます。絶滅させてしまうのは呆気ないくらい簡単なのに…。ブラックロビンのオールド・ブルーは最後の母鳥としていろいろ実験的なことをされて、母としては読んでいて辛いものがありましたが、その結果ブラックロビンの絶滅が免れたことを思うと、やはりその功績を讃えたいです。2015/04/24
わむう
21
1980年代にたった5匹になってしまった絶滅危惧種の鳥・ブラックロビン。その種を絶やさないためにドン・マートン博士がロビンの中でも最後の一匹である母鳥オールド・ブルーたちを保護し、失敗を重ねながら絶滅から守ります。絵が力強く繊細。人間が動植物の環境を変えてしまったために生態系が崩れ絶滅する種類がたくさんいるという絵本を読むたびに心苦しくなります。2019/03/23
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
ニュージーランド本島から東に1000キロにあるチャタム諸島に住む絶滅危惧種ブラックロビン。たった2羽にだけになったメスのうち、年老いた母鳥ブルーが卵を産み続ける奇跡のおはなし。たった5羽から130羽にも増やした研究活動が書かれています。<新しい世界の扉をひらく>2022/09/27
花林糖
16
(図書館本)【2019年花鳥風月読書会】ニュージーランド本島より東に1000キロにあるチャタム諸島固有種の絶滅危惧種ブラックロビン。人間が絶滅まで追い込んでそして助けるお話。内容にはかなりモヤモヤモヤっとしますが絵がとても綺麗で見応えあります。現在入手困難なのが残念。 2019/06/08
ナハチガル
12
たまたまブルーが長生きで多産だったのか、研究者の情熱が起こした奇跡なのか、自然と動物が持つ底力なのか。事実は小説より奇なり、と言ってしまえばそれまでですが、簡単には片付けられない大いなる何かがここにはあるように思えてなりません。A+。2015/03/16