内容説明
1人っ子政策などで悩む中国の人びとが、性を語りはじめた。若者たちの歯止めなき性開放、夫婦の性生活の変化、性犯罪や性病の増加―。ゆれ動く中国〈性事情〉の実態リポート。
目次
1 性の歴史の光と影―古代から社会主義まで(古の性文化の再評価;共産党指導下の性状況)
2 歯止めなき若者の性開放―新しい価値観と性行動(改革開放から性の開放へ;社会問題化する性)
3 変わりゆく夫婦関係と性―人口抑制下の家族状況(1人っ子政策が生む悲劇;夫婦関係と性生活;増大する離婚と蓄妾)
4 青少年の性意識と性行動―中国と日本の比較(性生理と性心理;性行動と性規範;メディアと性知識;親と教師の対応)
対照的な日中の性状況―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
90年代初頭、改革開放政策開始から10年ほど経った中国の性に対する実態を、中国人女性研究者が調査した、大変珍しい内容。この当時、中国社会はまだまだ儒教の価値観が通底しており、SEXや結婚、恋愛に対しては大変保守的だった。しかし、都市の大学生の間には公然とした恋愛や婚前交渉が広まりつつあった。又、一人っ子政策下で横行する隠れた出産で生まれる、戸籍の無い子供達は一年間に二百万人近く(!)おり、将来社会問題化する事も予想されていた。「夫婦間で前戯が少ないため、妻が性生活に恐怖感を持って関係が悪化」という報告も2021/04/03