内容説明
古い伝統にしばられ、新しいものを恐れながらも急速に変化するアフリカ・セネガルの社会。その現実の課題を浮き彫りにし、文化的な誇りをも描いた最新作と、センベーヌの魅力を引きだしたインタビューとセネガルの紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
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セネガルの文豪の短編、中編、インタビュー、そしてセネガルの解説で構成された本。短編「ニーワン」は田舎から首都ダカールへ幼い我が子を埋葬に来た父親が共同墓地までの道中に乗ったバスの車内での一コマを綴る。都市と地方、インテリと農民などセネガル社会の諸相の縮図のようなバスの中だ。中編「タアウ」は恋人を妊娠させてしまった青年の焦燥感に駆られる日常を通じて、セネガル社会の経済問題や伝統的な家族関係をあぶり出す。インタビューではセネガル社会やアフリカの現状に対し、率直に語りつつも、やはりイスラムや一夫多妻制には慎重だ2025/07/01
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- 和書
- 花筐 光文社文庫