内容説明
中国文化そのものである毛沢東の読書生活。毛沢東に信頼され、耳となり目となって、政治、政策立案に参画したブレーン田家英。そして、毛沢東政治の深層にある、中国の古典の世界。この、三者の結びつきと、「毛沢東思想」の内側を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
115
20世紀の大量虐殺者といえばヒトラー、スターリン、毛沢東が上位を独占するが、彼らは大読書家でもあった。記憶力がよく、戦争の最中でも読書を怠らなかった点も共通する。ヒトラーが反ユダヤ主義を、スターリンが一国社会主義論を唱えたように、毛は中国の古典とマルクス主義文献を深く読み込み、社会主義思想の中国化としての毛沢東思想を形成していった。しかし秘書として仕えた田家英すら自らの考えと対立するや死に追い詰めたように、読書で生まれた理想実現のため多くの血を平然と流したのならば、毛の蔵書は赤い文字で印刷されていたのか。2023/09/25
つまみ食い
8
近刊『スターリンの図書室』に関連した本として興味を持ち手に取る。古典に通じ詩才に長けていたとは聞いていたけども、想像を上回る読書家で数多くの詩を暗記し国共内戦や長征の最中も何とか書物や新聞を手に入れようとするような人物だった。後半は書名にある「秘書」だった田家英の話が中心になる。2023/10/09
バッシー
3
「スターリンの図書室」、「ヒトラーの秘密図書館」に続いて読んでみた。毛沢東は読書家で博識だが、上記二人と比べると、中国の古典にかなりの重きを置いている印象。今も同様の傾向があるようだが、あれだけの人口の国を治めるには自分達の歴史への深い理解が不可欠ということのようだ。2024/10/03
takehiro
2
後半の、毛沢東の秘書を努めた田家英の話が興味深かった。2016/01/13
雪丸
1
これは読書好きには面白い❗️2016/05/12
-
- 電子書籍
- LEON 2021年 11月号 LEON