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内容説明
アメリカの大衆は、日本をどう思ってきたのだろうか。アメリカ人の対日感情は、戦争による憎悪から好意に、そして貿易摩擦に刺激されて、理解から非難へと変化してきた。この本は、文化人類学者の著者が、日本人をテーマにしたミッチェナーの『サヨナラ』クラベルの『将軍』をはじめ、大衆感情を反映した全米ベストセラーを通して、アメリカ人の日本観の変遷をたどったものである。
目次
1 日本観の変化―つくりだされた“国民性”
2 太平洋戦争の傷あと―日本兵への怖れ
3 “ヒロシマ”の意識―つきまとう罪悪感
4 日本占領がもたらしたもの―懲罰と反省
5 日本女性への憧れ―異性観の変化
6 日本文化の発見―深まる関心
7 将軍と忍者―よみがえる恐れ
8 ビジネスでの対日観―羨望と競争
9 ゆれ動いた対日感情―結び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
1
著者は、日本に数十年滞在していた文化人類学者。大戦中から80年代に至るアメリカ世論の日本に対する意識の変遷を、ベストセラーから読み解くという手法の本。確かに、ベストセラーにはその時代の民衆の興味の方向性やその背景にある感情が潜んでいると考えられ、なかなか上手いアプローチだと思う。戦時中はやはり最前線のルポがウケ、「ジャップはドイツ人とは全く違う敵だ。オレ達とは何から何まで違う」というジャップ異質論が見える。それが戦後になると一転、今度はヒロシマへの関心が高まり、現地ルポが何冊もベストセラーになる。2024/08/24