内容説明
本書は、アメリカの著名な政治学者沖本教授が、ハイテク産業をめぐる通産省の産業政策と日本市場の相関関係を軸に、日本の政治経済体制の多様性と複雑性、絶えず変化するダイナミズムを実証分析。関係重視型国家・ネットワーク型国家をキーワードとして、日本株式会社論に代わるモデルを提示した研究成果である。
目次
1 市場と国家―日本の競争力を支えるもの
2 ハイテク産業推進の原動力―政策手段とメカニズム
3 通産省を支える産業システム―産業機構の特質
4 産業政策の政治学―日本の政治風土
通産省の魔法は消えたのか―結び
感想・レビュー
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Kiyoshi Utsugi
2
ダニエル・沖本は、日系二世でスタンフォード大学の政治学教授(当時)になります。 欧米の他の諸国よりも効果的な産業政策を実施することが出来たのは、自民党による長期独占支配体制、社会主義諸政党の弱体性、軍事支出の軽い負担、巨大で同質的な人口、産業組織の構造的な特徴、社会文化的資質、通産省の能力、民間部門の活力といった諸要因の中から生まれたものであり、どれか一つが決定的だったというものではないとしています。 半導体、コンピュータといったエレクトロニクスで日本が業界を席巻していた頃の話です。2019/04/17