内容説明
米ソによる冷戦の終結は、ソ連・東欧の激変とドイツ統一を生んだ。しかし、この新しい世界秩序への大転換に挑戦するかのように、またしても湾岸戦争が火を噴いた。朝鮮半島の分断はアジアの冷戦構造の象徴である。本書は、北方政策を推進する韓国の大統領補佐官で政治学者が、南北分断国家の平和的統一を希って、朝鮮戦争の原因から影響までを再検証した、韓国人自身による画期的著作である。
目次
1章 朝鮮戦争の原因―朝鮮半島分断の過程
2章 朝鮮戦争の起源―主謀者をめぐる論争
3章 朝鮮戦争の開戦―北朝鮮内部の権力闘争
4章 朝鮮戦争の展開―強大国の介入と同盟関係
5章 朝鮮戦争の休戦案―提起された内容と対決の構図
6章 休戦協定の成立―長びいた交渉の内幕
7章 朝鮮戦争の影響―冷戦と南北分断の固定化
付 休戦交渉に関する資料と研究
出典を中心とする原注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
冷戦下のイデオロギー対立でなかなか進まなかった実証的な朝鮮戦争に関して、韓国の政治学者(ノ・テウ政権のブレーン)による著作。内容は、朝鮮半島の分断の背景、戦争開戦に至る経緯、戦争の進展に伴う国際社会の停戦への動き、そして休戦協定に関して、専ら政治外交面での記述中心。朝鮮戦争研究では、長らく「仕掛けたのは南か?北か?」という大きなテーマがあり、研究者が支持するイデオロギーによって左右されていた。しかし、やがて北が戦端を開いた事が濃厚になると、左派の学者は「それは大した問題ではない」と言い出し、誠に節操がない2022/10/19
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