出版社内容情報
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内容説明
コロナ禍で早期退職の募集が急増している。対象は3年連続で1万人を超え、リーマンショック後に次ぐ高水準だ。業績良好な企業の「黒字リストラ」も少なくない。長年尽くした会社から突然、戦力外通告を突きつけられ、会社に残れば「働かないおじさん」と後ろ指を指される。なぜキャリアを積んだ中高年がこんなに邪魔者扱いされるのか。転職すべきか、留まるべきか、どう変わればいいのか。制度疲労を起こしている「日本型雇用」の問題を浮き彫りにしながら、大リストラ時代を生き残る術を示す。
目次
第1章 中高年が職場で肩身が狭い真の理由
第2章 狭まる「ミドル・シニア」包囲網
第3章 日本の「校内マラソン型」人事が「働かないおじさん」問題の原因
第4章 自分の居場所を確保するために
第5章 「話さない人」の落とし穴
第6章 「変われる」ことはキャリアの価値
第7章 企業はどうすればよいか
第8章 成功する早期退職を迎えるために
第9章 私たちはどう転職すればよいか
著者等紹介
小林祐児[コバヤシユウジ]
パーソル総合研究所上席主任研究員。上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻博士前期課程修了。NHK放送文化研究所に勤務後、総合マーケティングリサーチファームを経て、2015年パーソル総合研究所入社。労働・組織・雇用に関する多様なテーマの調査・研究を行う。専門分野は人的資源管理論・理論社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅー
7
★★良い意味で看板に偽りあり。中高年を対象とした安直なハウツー本を装う題名だが、中身は至って真面目でアカデミックな良書である。「働かないおじさん」へのバッシングも、会社が行う50代社員への「自律」支援も、「個人の心理」にすべてを還元する考え方に基づいている。実際には日本社会の職・住にまつわる歴史的な経緯が、現在の中高年男性の会社/家庭における姿を形づくっているのだ。編集のスタイル以外は、読んでいて岩波か中公を連想するおカタイ内容に終始する。類書と重なる内容も多いけど、この切り口でのまとめ方はまずまず満足。2022/09/14
大竹 粋
6
キャリコンの勉強がてら、我が身を振り返る意味で面白く読めた。だいたいこの手の指摘には防御心理のせいか、私はできている、大丈夫と安心装置が働くが本当にそうか。なんとかやれた自分が上から目線でキャリアコンサルティングを情けない中高年にアドバイスするという、醜悪な図式になってはいまいか、などと自問自答しながら完読。 プライドをいち早く捨てて若手にとってやりやすい相手としての戦力となり、変化への対応を嫌がらずに率先して行って、サードプレイスをせっせと作る。ですよねー、と思います。2024/02/07
nobuem
5
転職指南やキャリアプランニング指南というよりは「”終わった人”にならないための指南」かな。 家に居場所が無いおじさん増加の背景の一つが、国内産業の工業化やアメリカ式生活様式の浸透によって住宅設計が変化したから、という言説は面白い。2022/07/21
パキ
4
ここ数年ネットやテレビ等で散々言われていることをまとめた程度の印象を受けた。全て既知で新たな発見はなかった。 タイトルと内容も合っておらず残念だった。2022/08/13
藤原祐樹
3
いわゆる働かないおじさんへの処方箋なのだが日本型社会の問題点を挙げている。 結局若手の給料を上げることと自己学習することが大事という身も蓋もない話である。 今の時代、受け身では生きていかれず自ら踏み出していかなければ生きていけない残酷な時代でもある。 生涯学習しなくても適当に生きていけるような世の中を望みたい。2022/11/03