内容説明
キリスト教誕生以来、ヨーロッパ社会には「反ユダヤ主義」がはびこるが、ユダヤ人たちは迫害に屈せず、移り住んだ地でタフに生き抜いてきた。とくに英国における成功は目覚ましい。一三世紀、エドワード一世はユダヤ人を国外追放するが、一七世紀、クロムウェルが再入国を許可。以後、彼らはロイド=ジョージ、チャーチル、サッチャーほか有力政治家と深く結びつき、一九世紀に銀行業を興したロスチャイルド家は、世界屈指の財閥に成長した。イギリス千年の盛衰に重大な役割を果たしたユダヤ人の足跡を読み解く。
目次
第1章 中世―大富豪登場から追放令まで(英国史上歴代一位の大富豪;女金貸しリコリシア ほか)
第2章 近世―再入国と独自のビジネス展開(再入国の立役者;クロムウェルのユダヤ諜報団 ほか)
第3章 近代―宰相ディズレーリとロスチャイルド家(盗品故買の帝王、ソロモンズ;近代拳闘の先導者メンドーサ ほか)
第4章 現代―ユダヤパワーの持続可能性(チャーチルのシオニズム;イスラエル・ダイヤ産業の出発点 ほか)
著者等紹介
佐藤唯行[サトウタダユキ]
1955年、東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。獨協大学外国語学部教授。専門はユダヤ人史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆき
1
ユダヤ人がなぜこんなに嫌がられるのかなと思って読みました。 日本の人間だからあまり、宗教による差別とか言われてもピンとこない。うーん。でも、世界は差別で回っている。 2023/05/02
へけぇ!!!
0
あとがきの『イスラエルがやむなく採ったガザ地域へのピンポイント空爆』という記述が少し気になった。 ただ、それ以外のメインの部分は非常に興味深い2023/02/09
ぽこりん
0
英国ユダヤ人の内、特に経済的に大成功した富豪たちの歴史。ユダヤ人の同族ネットワークの国際性と迫害で培われたハングリー精神が成功の秘訣のようだ。各時代で親ユダヤの要人に対して財政・諜報等で全力でサポートしてきた歴史を見ると、アブラハム契約の「イスラエルを叔祝福する者は祝福される」という異邦人への祝福の原則が、歴史的にどう実現したかという観点で考えることもできるだろう。2022/03/26