内容説明
喉が渇いたときに飲む水は心底おいしいけれど、渇きがおさまった後に同じ水を飲んでも、もうおいしいとは感じない。体が必要としていないから。すなわち「おいしい」とは本来、体という自然によりそい喜ばせてあげたときに生まれる感覚のこと。しかし、ただおいしいだけでなく、この「体が喜ぶ料理」を作るのが案外難しいと著者は言う。どうしたらそんな料理が作れるのか、そもそも料理とは何か―。京都で最も予約が取りにくい日本料理店「草喰なかひがし」店主が、野山を馳せ巡りながら得た“食”にまつわる究極の哲学。
目次
第1章 土を舐める(「ええ野菜だけ持って帰って料理したら、ええ料理ができるに決まってるやないか」;そもそも料理とはなにか? ほか)
第2章 山を喰う(行者や巫女の泊まる宿坊で育つ;大山椒魚の薄造りと栃餅 ほか)
第3章 草を摘む(楷書を崩して草書 その草の心の料理;夢は枯れ野をかけ廻る ほか)
第4章 家で食す(家庭の料理こそ、いちばん大切な料理;料理の仕方は野菜が教えてくれる ほか)
著者等紹介
中東久雄[ナカヒガシヒサオ]
1952年、京都府生まれ。日本料理店「草喰なかひがし」店主。摘み草料理で知られる花背の料理旅館「美山荘」で生まれ育ち、少年期から家業の手伝いに勤しむ。高校卒業後、本格的に料理の道に入り美山荘に二十七年間勤務。97年に独立して銀閣寺のほとりに現在の店を開店し、今日に至る。2012年に農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」でブロンズ賞、17年に同シルバー賞、16年に京都和食文化賞を受賞。大原の地野菜の魅力を多くの料理人に発信し、地場の農業振興にも貢献している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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