幻冬舎新書<br> 恐怖の構造

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幻冬舎新書
恐怖の構造

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344985087
  • NDC分類 141.6
  • Cコード C0295

内容説明

サーカスのピエロを、たまらなく恐ろしく感じる症状を「クラウンフォビア」という。また本来なら愛玩される対象であるはずの市松人形やフランス人形は、怪談やホラー映画のモチーフとして数多く登場する。なぜ人間は、“人間の形をした人間ではないモノ”を恐れるのか。また、日本人が「幽霊」を恐れ、アメリカ人が「悪魔」を恐れるのはなぜか。稀代のホラー作家が、「エクソシスト」や「サイコ」など、ホラーの名作を例に取りながら、人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズムについて徹底考察。精神科医の春日武彦氏との対談も特別収録!

目次

第1章 恐怖の本質(恐怖が好きな人、嫌いな人;祟りと暴力 ほか)
第2章 恐怖と不安(恐怖より不安がコワい;不安が人を動かす ほか)
第3章 なぜ恐怖はエンタメになりうるのか(スプラッター嫌い;『ゴッドファーザー』の恐怖 ほか)
第4章 ホラー小説を解読する(ホラー小説を楽しむ方法;ジャンルを定める ほか)
特別対談 「恐怖が快楽に変わるとき」(春日武彦×平山夢明)(不安な春日先生;不確実さの不安 ほか)

著者等紹介

平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年神奈川県出身。96年に『SINKER 沈むもの』で小説家デビュー。2006年に短編「独白するユニバーサル横メルカトル」で日本推理作家協会賞短編賞、『DINER』で10年に日本冒険小説協会大賞、11年に大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

125
ためになった。「不安は恐怖よりストレス」は重要なキーワードになりそう。恐怖を感じるシチュエーションについて作家としての自身の感覚をエッセイ風に綴った本。紹介のあった『ブレイブ』も読んでみたい。学者でないためか読んでて楽しいがまとまりが薄いが、作家として怖がらせ続けてきた本人のキャラクタが紙面ににじみ出ており好感が持てる。 主人公以上の緊張を脇役が強いられると、主人公の緊張が薄まるので気をつけようとか、割と重要なテクがちらほらと見られる。2019/04/11

absinthe

115
人は恐怖より不安を嫌悪するらしい。大きいが確定した損害より、損害を受けるかどうか分からない未来を、より恐れるのだろうな。その他、ホラーの楽しみ方として、ホラーを如何に書くかという点に注目するのも面白い。書き手の視点で読むと怖がらせようと作者が行った様々な工夫にも気づくことが出来る。2024/08/07

青蓮

109
本書はホラーの名作を例に挙げながら人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズムを考察する。私は「怖いもの」が平気で好きですがその理由が本書で明らかにされていてとても勉強になりました。「ホラーが好きな人間には、かつて恐怖に助けられた人が多いよう」で確かになと納得。「人生がどれほど絶望的か」でホラー嫌いかそうでないかが別れるそう。ホラーには痛みを忘れるには更なる痛みを、みたいな、ある意味ショック療法的な側面があると言えそうです。またホラー小説の楽しみ方、書き方までレクチャーされていて興味深い。2019/04/04

かみぶくろ

105
恐怖の構造を科学的に分析した本かと思いきや、ほぼ平山夢明さんの作家論と私見。だからこその面白さというか、この異色の作家がどんなことを考えて作品を書いているのかがよく分かり、大変興味深かった。「君ほど殴りたいと思った人間はいない」と50年も言われ続けてきた、強烈な個性の源泉が堪能できる。特に精神科医との対談が面白く、恐怖を極端化すると笑いになるという著者の指摘通り、なんだかヤバイとしか言いようのないユーモアがあった。2019/08/12

アキ

98
小説「DINER」の著者。ホラーが好きすぎて、仕事にしてしまう程の著者が、「恐怖」について考えを巡らす。H・Pラヴクラフト「人間の感情で最も古く、最も強いのは恐怖である。」原始的な感情の恐怖を扱うホラー好きとそうでない人との違いは、人生がどれ程絶望的かなのではないか。ホラー小説のゴール設定は主人公が最終的に生き残るか死ぬかで、サスペンスは過程が重要だと。そしてストーリーには緊張と緩和が必要、文章は説明でなく描写など、作家の視点からの蘊蓄が楽しい。おススメの映画「テナント」と「ゲット・アウト」を見てみたい。2021/12/06

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