内容説明
豪放磊落に振る舞いながら、実は人間嫌いで常に「死にたい」という思いを抱える、悲哀と無常の人であった西郷。何より「義」を重んじながら、冷徹な戦略家でもあった西郷。その深い矛盾に満ちた人間性こそが、西郷の魅力の源泉であった―明治維新という奇跡の革命を成し遂げ、最後は西南戦争で武士道に殉じた「滅びの美学」を、書簡や直話など、西郷自らの言葉から描き出す。矛盾を生ききった「最後のサムライ」の姿から、いかに生きるべきかを問う、魂の西郷論。
目次
第1章 城山残兵記―明治日本は何を滅ぼしたのか
第2章 独立自信―変革の動力を生んだもの
第3章 西郷と陽明学―「和風」革命家の誕生
第4章 仁侠武士の悲歌―政治の冷酷と死者への思い
第5章 流入西郷伝―第一次南島時代
第6章 実践者の成長―第二次南島時代
第7章 無常のなかの祈り
著者等紹介
澤村修治[サワムラシュウジ]
1960年東京生まれ。千葉大学人文学部卒業後、出版社に勤務し、新書・選書の編集長などを経る。2010年より評伝と評論で著書を発表。文藝評論家、帝京大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。