内容説明
人間の性欲ほど多様で面白いものはない。約半世紀、夜の街を歩き続けた著者が「風俗大国」ニッポンのエロを丹念にリポート。そこには、ハプニングバーで暮らす若い女性やキレイになりたがる中年男性、浮気防止のために妻に「貞操帯」をつける夫もいれば、愛撫され身悶えする妻を見て興奮する夫もいた。まさに「死ぬまでセックス」、性に対する男女の欲情は尽きることがない。「風俗」にまつわる病いをとことんまで覗き見た一冊。
目次
第1章 2020年への『トゥナイト』(昼下がりの情事;酔狂の求道者たち ほか)
第2章 苦渋に満ちた青春の性(最初の風俗嬢;マッチ売りのおばさんと、スケッチ屋のお姐さん ほか)
第3章 狂乱と泡沫の性(パンティを脱いだ女子大生たち;援交少女たちのDNA ほか)
第4章 変革と混沌の性(熱海芸者の秘技;満たされぬ青春の「ホン水」 ほか)
第5章 老齢社会の性と生(鴬谷;バイブバーの女たち ほか)
著者等紹介
山本晋也[ヤマモトシンヤ]
1939年、東京都生まれ。63年に日本大学藝術学部演劇学科を卒業し、岩波映画製作所にて羽仁進氏に師事。成人映画を中心に約二五〇本の作品を撮影する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スパシーバ@日日是決戦
85
{2016年} 成人(ポルノ)映画を中心に約250本の作品を撮影し、TV朝日「トゥナイト」のレポーターとしてあまりにも有名な著者は語る「この性欲という病いは人間にとって、私たちにとって何だろうか?」。性的サービスを行う性風俗店は、風営法により所轄の公安委員会へ営業の届け出が義務付けられているソープランド、ファッションヘルス、性感マッサージ、イメクラ、ピンサロ、デリヘル)だが、飽くなき快感を求め手を替え品を替え変遷するプレイの数々を生み出した日本人の叡智に拍手「あんたも好きねぇ~」(バカですね~)。2017/01/21
ナディ
27
山本晋也監督のリポートはテレビでも観ていたので、どんな文章を書くのか興味があった。風俗という一つの入口から移り変わっていく世相を切り取っている。知識人というのもよくわかる1冊だった。2017/01/11
り
11
日本は昔からド変態だな〜って思いながら、性に関する文化の奥深さに感心しました。声に出して笑ってしまう本は久しぶり。本書タイトルも、真面目にふざけたパロディかと思うとニヤニヤしてしまいます。後半からマダガスカル医療支援の話が出てきて「急にどうした?」と思いましたが、よくよく考えるとそう遠い話ではないのだと気付きます。各々の幸せを追求すること。己の業と向き合うこと。際限なく求めることのできる贅沢な日本で、本当に満たされるとは一体どういうことなのだろうか。ケラケラ読んでいたのに最後は考えさせられました。2017/02/13
それん君
6
元々人間のことをわかっていたつもりはないんだけど、ますます人間がよくわからなくなった。人間不信になりそうで怖くなる。2017/02/11
Katsuto Yoshinaga
3
ピンク映画の巨匠、風俗リポーターあるいはコメンテーターとして名を馳せた著者の本は初読み。いつものように、風俗やエロといった表題の本は邪な気持ちで手に取り、たいがいそんな気持ちは裏切られる。本書もその例に漏れず、風俗史に沿って書かれた、山本氏の半生記であり、それはそれで面白いのだが、如何せん著者も77歳であり古臭さを強く感じた。2016/12/09