幻冬舎新書<br> 八紘一宇―日本全体を突き動かした宗教思想の正体

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幻冬舎新書
八紘一宇―日本全体を突き動かした宗教思想の正体

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344983830
  • NDC分類 316.2
  • Cコード C0295

出版社内容情報

日蓮主義者田中智学の言葉、八紘一宇はどう生き延び、日本に溶け込んでいったか?国民全体を魅了した、言葉の魔力とは?たった4文字の言葉が、日本の命運を大きく変えた!その謎に迫る。

内容説明

2015年衆議院予算委員会で三原じゅん子議員が「八紘一宇」ということばを口にした瞬間、部屋の空気が変わり、ざわついた。戦時中の日本の海外侵略を正当化する役割を果たしたと認識される一方で、宮沢賢治、石原莞爾、北一輝らを魅了した、日蓮主義者・田中智学のこのことばは、どういう意味そして経緯で戦前戦中の日本人を、天皇を中心とする熱狂に駆り立てたのか?そして戦後、八紘一宇はどう生き延び、日本に溶け込んでいったか?現代に連なる日本的精神を読み解く画期的論考。

目次

第1章 八紘一宇と国体
第2章 田中智学の日蓮主義と国体論
第3章 宮沢賢治の法華文学
第4章 石原莞爾の満州国
第5章 日蓮の誘惑
第6章 神憑りする魔王、北一輝
第7章 井上日召と血盟団事件
第8章 「死なう!死なう!」
第9章 国立戒壇という亡霊

著者等紹介

島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京都生まれ。宗教学者、文筆家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

25
八紘一宇とは、世界の凡てを一家のように睦まじくというような意味だが、戦前の軍部が天皇を押し立ててアジア進出のスローガンに使用したことから、現代では死語に近い扱いとなっている言葉である。本書は、この言葉をキーワードに、戦前・戦中の日本を牽引した日蓮人気と影響力について考察し、さらに戦後の創価学会等の日蓮宗系の新宗教の動きまでも解説。当時の日蓮宗の信者や関係者として、田中智学、宮沢賢治、石原莞爾、北一輝、井上日召等が取り上げられる。(コメントへ)2020/08/07

軍縮地球市民shinshin

17
2015年、自民党の三原じゅん子議員が国会質疑で「八紘一宇」という単語を使ったことで物議を醸した。それで本書が出版されたらしい。「八紘一宇」の出典は『日本書紀』神武天皇条の「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)と為(なさ)む」だ。それを縮めて「八紘一宇」と称したのが、日蓮宗を起源とする右翼団体「国柱会」を創始した田中智学であり、本書は智学に影響を受けた宮澤賢治、石原莞爾、北一輝、井上日召と血盟団、江川桜堂と死のう団、創価学会の思想と行動を分析している。八紘一宇の精神は現在与党である創価学会に引き継2020/06/21

ゆうきなかもと

14
法華宗(日蓮宗)の明治から戦後今日に至るまでいかに強い影響力を持ち、歴史に作用していたかがよくわかった。 その背景としては近世から近代にかけての日蓮人気の高さがあるらしい。映画や小説、伝記などでも数多く扱われていた。 血盟団事件を首謀した井上日召がなぜあんなにうさんくさいのに血盟団の若者たちに支持されたのか、以前はわからなったが、この本でわかった気がする。 社会的に広く認められている価値観や世界観をテコにすると、かなり危険な思想に対しても受け入れるハードルが低くなるのだろうか(・・;)2015/09/01

安国寺@灯れ松明の火

12
日蓮宗の系統では国家や社会にコミットしていくことが教義の重要な柱というのは、目から鱗というか、漠然と感じていた疑問の一部が解消しました。これまで政治と宗教の関係は深く考えないようにしていたからでもありますが、最近別の本で、宗教的に寛容であるということは、信教の自由やその侵害に対して鈍感になりやすく、結果、政治に利用されやすくなるという指摘があってハッとさせられました。少なくとも、「政教分離」を教科書的な西洋特有の概念だと捉えてしまうのは、思っている以上に危険なのかもしれません。2015/10/18

takeapple

8
田中智学の提唱した八紘一宇が、どのように受け入れられ、日本が戦争への道を進んでいったのか、そして三原じゅん子は、これがどんなことか本当に理解できずに、世界平和を目指す家族主義などと考えているということがわかった。 同じような主題の中島岳志と 島薗進の『愛国と信仰の構造』の方が断然いいのは、島田と中島・島薗のスタンスの違いというか、切実感の違いだと思う。残念ながら島田の本は、関連する本をたくさん読んで、それを要約しただけだと思えてしまう。2016/03/24

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