内容説明
日本全国の神社の数は約8万社。初詣、宮参り、七五三、合格祈願、神前結婚…と日本人の生活とは切っても切り離せない。また伊勢神宮や出雲大社など有名神社でなくとも、多くの旅程には神社めぐりが組み込まれている。かように私たちは神社が大好きだが、そこで祀られる多種多様な神々について意外なほど知らないばかりか、そもそもなぜ神社に特定の神が祀られているかも謎だ。数において上位の神社の中から11系統を選び出し、その祭神について個別に歴史と由緒、特徴、信仰の広がりを解説した画期的な書。
目次
日本の神々と神社
八幡―日本神話に登場しない外来の荒ぶる神
天神―菅原道真を祀った「受験の神様」の謎
稲荷―絶えず変化する膨大な信仰のネットワーク
伊勢―皇室の祖先神・天照大御神を祀る
出雲―国造という名の現人神神主の圧倒的存在感
春日―権勢をほしいままにした藤原氏の氏神
熊野―浄土や観音信仰との濃厚な融合
祇園―祭で拡大した信仰
諏訪―古代から続くさまざまな信仰世界
白山―仏教と深くかかわる修験道系「山の神」
住吉―四方を海に囲まれた島国の多士済々の「海の神」
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京都生まれ。宗教学者、文筆家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
82
最近、猛烈に「御朱印集め」にハマっている。土日はもちろん、早起きして通勤でも寺社めぐりするほどであるが、それでも神社について知らないことばかりだった。そんな自分にとって、革命的な一冊。有名なあの神社、この神社がどんな神様を祀り、こんな歴史があった…それを知るだけでも、寺社めぐりがもっと楽しくなりそうだ。2016/06/01
yamatoshiuruhashi
53
「八幡だけをもっぱら侵攻する人間や社会集団が存在するわけではないにしても、それは八幡神を唯一の神とする一神教として見ることさえできる。(中略)もし八幡信仰が存在しなかったとしたら、日本人の宗教世界は軸を失い、現在とはかなり異なるものになっていたかもしれない」と表題についての一章の結論部にある。では表題の「八幡神社がいちばん多いのか」。もっと分かりやすく書いて欲しかったな。八幡神社は最初の1章だけで、あとは天神、稲荷、伊勢、出雲、春日、熊野、祇園etcと有名どころの神社についての概説。神道入門というところ。2021/04/16
荒野の狼
37
日本にある神社の系列を数が多い順に章分けして、それぞれの歴史、神の由来、全国にある主な神社などを解説してあるので、まず旅のガイドブックとして重宝。また神社・神道一般に関する基本用語も本文中で丁寧に説明されているので入門書としてもよい。古事記や日本書紀だけではなく、ヒンズー教や朝鮮半島などにまで広く起源を求め、史実と神話の両方を紹介。各章で個々の神社を説明しているが、内容は濃く、神社を訪れる際のガイドブックにも、訪れた後の復習にも使えるもの。2021/03/08
桜子
28
神社や寺にはよく行くけど何も知らないな、と思い読んだのですけど、面白く読めました。ただ色々知らなさすぎて「?」が浮かぶたび調べながらの読書だったので読了には時間がかかってしまいました(^^;)読後は行ってみたい場所が増えたので、参考にしたいと思います。また何かこういった本を読んで少しずつ覚えていきたいです。2014/05/09
sasara
25
宗教学者島田裕巳著 武士に愛された八幡さん 菅原道真さんの祟り雷天神さん 豊年祈念のキツネお稲荷さん 最強アマテラスを祀る神宮お伊勢さん 国づくり得意出雲さん 藤原氏威厳ありあり春日さんなど 神社参拝のちょっとしたウンチクに いいかも。 2021/01/03