内容説明
宇宙には「四つの力」が働いている。私たちを地球につなぎとめる「重力」と電気や磁石の力である「電磁気力」は古くから知られていた。二十世紀に入り「強い力」と「弱い力」が発見され、この新しい力を説明するために考え出されたのがヒッグス粒子だ。その発見により、人類が叡智を傾けて築き上げてきた理論の、最後のピースが埋まった。それは、ヒッグス粒子の魔法によって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。
目次
第1章 質量はどこから生まれるか
第2章 「力」とは何を変える働きなのか
第3章 距離が長くなるほど強くなる―強い力の奇妙な性質
第4章 神様は左利きだった―弱い力のひねくれた性質
第5章 単純な法則と複雑な現実―魔法使い・南部の「対称性の自発的破れ」
第6章 ヒッグス粒子の魔法が解けた!
第7章 標準模型を完成させたCERNの力
終章 まだほんの五パーセント
著者等紹介
大栗博司[オオグリヒロシ]
1962年生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。理学博士。東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現在カリフォルニア工科大学カブリ冠教授および数学・物理学・天文学部門副部門長、東京大学カブリIPMU(数物連携宇宙研究機構)主任研究員。専門は素粒子論。超弦理論の研究に対し、2008年アイゼンバッド賞(アメリカ数学会)、高木レクチャー(日本数学会)、09年フンボルト賞、仁科記念賞、12年サイモンズ研究賞受賞。アメリカ数学会初代フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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