内容説明
ここ二十年の経済停滞からくる個人の生きづらさを反映し、益のない個人叩きや、意見・提言へのバッシング合戦が横行する日本。でも僕らには時間がない。一刻も早く、ポジティブな改善策を出し合い、社会を少しでもアップグレードさせなくては―。注目の若手評論家が、政治・経済、社会状況のバグ(問題)を総チェックし、解決のためのフレームを提示。誰かを採点し続けるのではなく、自ら当事者として社会を変えていくための実効性ある方法を提言する。
目次
第1章 僕らはどうして、「ここ」に流れ着いたのか(シビアの時代のタイムリミット;「清貧の思想」の罠 ほか)
第2章 僕らはどうして、間違えた議論をするのか(問題だらけの消費税法案;埋め込まれた問題 ほか)
第3章 僕らはどうして、「国民益」を満たせないのか(政策の是非を問う3つの視点;政策の是非を費用対効果の視点で眺める ほか)
第4章 僕らはどうやって、バグを取り除くのか(対立軸のスライド;対立軸に生じた「縮退モデル」という変化 ほか)
第5章 僕らはどうやって、社会を変えていくのか(僕らは動き出さなければいけない;政治参加へのハードルの高さ ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
133
ネットにおける誹謗中傷の話かと思ったら、政治、財政、メディア等の話。最近の違和感は、テレビでの国民の声。あれは容易に印象操作できてしまう。マスコミが求める内容を話した人だけ切り取ればいい。それとカタカナ語。みんなに伝えたいのなら、わかる言葉で話してほしい。そんなことでいいのかな。しかし、みんなみんな忙しい。仕事が溢れかえっていて全く余裕がない。こんな社会に誰がしたの?…こうやってダメ出し社会は続くのであろう。誰かを採点する側ではなく、あなたがこれから何をするのかを考えてほしい。本書はそれを伝えたいのです。2021/02/22
♪みどりpiyopiyo♪
94
著者は、TBSラジオ『セッション22』や WEB論壇誌『シノドス』、「見えない障害を可視化する」メルマガ『困ってるズ!』などでお馴染みの荻上チキさん。■いつの間にかかなりシビアな状況になってしまっているこの日本について、「難局を打破するには、とにかく大雑把な見取り図であっても、より多くの人と現状を共有しなくては」と、社会問題の捉え方、間違った議論をしないための知識、バグの取り除き方、などを分かりやすく解説してます。■2012年の本ですが、今読んでも大事な提案。すぐ読めちゃうから、みんなも読んでみて☆(→続2017/04/30
mura_ユル活動
84
現在は削り合い社会と。著者は評論家。大きく考える。政治に関する話。本書はアップグレードした社会を目指すために書かれている。新しい社会用語が多く出てくる。各省庁の省益となっていないか、国民のための法律・条例などは費用対効果が考えられているのかどうか。国民益になっているのかどうか。行くところ「強い社会」または「優しい社会」を目指すのか。答えは簡単ではない。2018/09/13
Thinking_sketch_book
21
★★★★☆ 基本的な考え方は共感できる。ダメ出し社会や足の引っ張りあいを続けるのではなく、ソリューションを出し合い、行動し合うことは本当に大事だと思う。ラジオを聞いているように読めてしまう本でした。2013/12/04
きいち
20
「ダメ出ししてる場合じゃないのに」と思いながらも周りを見て意気阻喪しそうになる人たちを勇気づけ、功利的包摂や社会疫学的思考といったポジ出しの武器を手渡そうとする本。◇ヤバいと思うたび『大きなことはできませんが、小さなことからコツコツと』(西川きよし)と呪文のように唱え目の前のバグに向かい勝ったり負けたりしてきたので、こんなふうにスマートに泥臭さを言挙げされると、確かに、もっとがんばらな、と思える。◇政治問題や社会参加に限った話ではない。商売だって、いや商売を通じてこそできる「ポジ出し」だってあるのだから。2013/07/17