内容説明
江戸文化の華、浮世絵。今でこそ芸術的評価も高いが、当時は庶民の娯楽。絵師の給料は安く、副業として描くのは当たり前、春画で生活をしのいだ者も多い。それでも描きたい絵師たちは、売れるために、「風俗の最先端」を追い求めた。その影響力は大きく、幕府から処罰を受けた絵師もいる。本書では、ブランディングに成功した師宣、万物を描き尽くした超人・北斎、体臭も漂うような妖艶美人画を描いた英泉など、大胆に15人を選出。華やかな浮世絵の背後で繰り広げられた、絵師たちのスキャンダラスな人間ドラマを描く。
目次
菱川師宣―落款を入れるブランド浮世絵師
奥村政信―版元も兼業した知略家
西川祐信―都のはんなり美人の衝撃が江戸に
鈴木春信―カラー版画の革命児
北尾重政―挿絵大好きの異端児
勝川春章―大名パトロンを抱えた人気者
鳥居清長―役者絵界からの逆襲
喜多川歌麿―浮世絵美人画の代名詞
鳥文斎栄之―旗本絵師の酔狂が、歌麿美人画のライバルに!
東洲斎写楽―一瞬の煌きを残して去った、浮世絵界随一の謎
歌川豊国―役者絵・美人画・死角のない安定派
葛飾北斎―万物を描き尽くす画狂人
渓斎英泉―幕末退廃美の極み
歌川広重―風景版画の開拓と定着
歌川国芳―面白浮世絵なんでもござれ
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