内容説明
そもそも天皇って何だろう?なぜ1000年を軽く超えて同じ血筋が続くのか、なぜ現代においても天皇だけが「日本国の象徴」であり「国民統合の象徴」なのか、なぜ憲法は「天皇」の条項から始まるのか?125代の天皇の中から、巨大で特異な存在の10人―雄略・継体・推古・天武・称徳・桓武・後鳥羽・後奈良・後水尾・昭和天皇―を選びだし、その人物像、人間関係、スキャンダル、時代や歴史の中で果たした役割を解説。同時に天皇をめぐる、さまざまな根本的「謎」に答えた、いまだかつてない一冊。
目次
第1章 「大悪天皇」と呼ばれた雄略天皇
第2章 皇統断絶か、継続か―継体天皇
第3章 はじめての「女帝」推古天皇
第4章 「日本」という国名のおこり―天武天皇
第5章 「道鏡を天皇に」―称徳天皇
第6章 「千年の都」を建設した桓武天皇
第7章 ひまごが将軍になった後鳥羽天皇
第8章 歴史上もっとも貧しかった後奈良天皇
第9章 強大な江戸幕府と向き合った後水尾天皇
第10章 身を捨てて戦争をとめた昭和天皇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たー
11
天皇を軸に日本の歴史を再確認できる本2012/03/12
getsuki
8
やはり砕けすぎだ表現に賛否が分かれている印象。中身は日本史上で分岐点となった時代の天皇を取り上げ、歴史的意義を論ずるものだった。隠れた秘話も多く、勉強になるなぁと感心しきりでした。特に昭和天皇の二度にわたる御聖断には思わず涙が……もっと近現代史も勉強しなくてはと思わせる一冊。それだけに読書対象をどこまで設定するか、難しかったのではないかと。あまり堅すぎると若い世代は読まないし、でも滑ってる所はコア層は気に入らないだろうしね。2015/10/08
Tom Zacky
8
読んで良かったヽ(´ー`)ノ 10大天皇;雄略・継体・推古・天武・称徳・桓武・御鳥羽・後奈良・後水尾・昭和天皇のお話(ほとんど知らなかったけどw)。 ちなみに今は125代目らしいっすよw 天皇だから小難しいと思ったら、意外や意外、めっちゃおもろかったw 著者が『ハンパない』、『ヘボい』やら、異説・通説・俗説に『んなことあるかボケェ!』っていう書きっぷりが読みやすくしてくれたw 昭和天皇の全面降伏時の『聖断』に対するお態度、お言葉がマジ感涙モノっす(´;ω;`) ちょっぴり日本が好きになりました^^2012/03/27
みっち
8
10人の天皇の物語を通して、「日本」と「天皇」のことが学べる本。たとえ苦難の時代であっても、民のために祈りを捧げられ続けた後奈良天皇の姿は、400年以上経った今でも、天皇陛下に受け継がれていますね。2011/12/13
でおでお
6
くだけすぎとも思える文章だけど、様々な史料を「当時の常識」と「人間心理」に照らして読み解くという視点に好感をもちました。 それでも分からないこと。立憲君主制となる明治以前の時代、はたして東日本に住む一般民衆の心の中に天皇が「侵さざるべき君主」として認識されていたのかどうか。藩主の上に将軍が君臨しているのは分かっていたと思うんだけど、更にその上に天皇がいるという認識はあったのか。2012/05/16