内容説明
「凡庸な二代目」として描かれることの多い徳川秀忠。確かに彼は、関ヶ原に遅参するという失態を犯して以来、家臣団の無礼な態度にもじっと耐え、六歳年上の正妻・江に気を遣って側室も持たず、二代将軍になってからもお飾りに甘んじて、実権を握る父・家康にひたすら平伏し続けてきた。しかし偉大な父親が死ぬと、彼は仮面を脱ぎ捨てて、苛烈な大名統制策に乗り出す。最終的に潰した大名家はなんと四十一家。類稀なる忍耐力と、容赦ない政治手腕で徳川幕府二六〇年の基盤を築き上げた、知られざる二代目将軍の生涯。
目次
第1章 秀忠と江、運命の出会い(家康の嫡男・信康の切腹は誰の意向だったのか?;三男・秀忠誕生 ほか)
第2章 秀忠が関ヶ原に遅参した本当の理由(天下平定後の秀吉;常軌を逸していた晩年の行動 ほか)
第3章 二代将軍徳川秀忠の誕生(お江とお初の約束;わずか二十七歳で征夷大将軍に ほか)
第4章 二代将軍の厳格なる政治理念(さまざまな大名統制策;最後まで手製の薬に頼った家康 ほか)
著者等紹介
河合敦[カワイアツシ]
1965年東京都生まれ。青山学院大学史学科卒業、早稲田大学大学院修士課程修了(日本史専攻)。高校教師として教壇に立ちながら、歴史作家・歴史研究家として、数多くの著作を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月讀命
57
NHKの大河ドラマ『姫たちの戦国』を見て、江姫のご主人である徳川秀忠に興味が出てきた。名前に『家』を付ける事が多い徳川将軍が多いなか、豊臣秀吉に忠義を尽くすという意味合いで付けられたであろう『秀忠』。大権現家康、三代将軍家光は日本史の教科書でも大きく取り上げられており、余りにも有名な人物あるが、彼らの間に挾まれた徳川秀忠は、世間では一般に凡人と見られがちで、注目もされず評価されていない。しかし、彼の処世術は忍耐する凡人の成功哲学であり、実は260年に渡る幕府の屋台骨を完成させた功労者である事を知らされた。2011/06/10
ユウユウ
19
偉大な先代からの圧迫、悩ましい後継問題、それらに埋もれる「凡庸な二代目」の徳川秀忠の実態は!大河ドラマ、徳川家康に決まってるけど、むしろこの人で主体で撮ってみてほしいなぁ。共感する人多いのでは?2021/03/16
はせこー
7
秀忠の人物像はすごく好き。 よき二代目。2013/07/14
hiyu
5
初代家康、そして幕藩体制や幕府機構の確立に尽力した家光と比較して、平凡な、繋ぎの二代目として考えていた。しかし、本書を読むにつれ、その考えは浅はかであった。凡庸どころかとてつもない忍耐持ち主だけでなく、その政治センスも非常に優れたものであると感じるものであった。2021/06/07
本棚の旅人
5
徳川秀忠!言わずと知れた、徳川家 二代将軍 権現家康公、家光公に隠れて名前は知っていても、実績は知らずという人が多いはず。僕の中の評価は高いのですが。。。徳川幕府の基礎を磐石にした将軍!人物についても書かれているのでぜひ読んで、自分の中の秀忠公のイメージを変えてほしいと思います。近年では大河ドラマで向井さんが演じてられましたが、なかなかイメージが合いますね^^2012/06/05
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