内容説明
関ヶ原の戦いに前後して、徳川支配下に入った戦国大名は、その後「外様」大名として生き抜く道を選択した。彼らはたびたび取り潰しや国替えの危機にさらされたが、たとえば前田家は将軍家との婚姻政策に奔走し、津軽家は藩士1000人の大リストラを断行、また相馬家は「子ども手当」で人口を増やそうとすることで乗り切る。こうして幕府の理不尽な要求に耐え抜き、密かに国力を蓄えた一部の元・戦国大名家のエネルギーが、明治維新で爆発し、日本近代化の礎となったのだ。外様大名40家、哀切と雌伏の江戸250年史。
目次
第1部 戦国大名から外様大名へ(織豊政権期のパラダイム転換;江戸幕府のシステムに縛られた外様大名)
第2部 外様大名40家の江戸250年(陸奥国弘前藩・津軽家;陸奥国盛岡藩・南部家;陸奥国三春藩・秋田家;陸奥国仙台藩・伊達家;陸奥国中村藩・相馬家 ほか)
感想・レビュー
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大阪魂
38
図書館本!戦国大名から江戸時代の大名の変化と、個々の大名の歴史がてんこ盛り!面白かった!まず第一部が大きな流れ。基本的に農地ベースやった戦国大名・武士が、信長・秀吉くらいから土地から引きはがされ、江戸幕府になったら転封とかで縁もゆかりもない土地の領主・家臣にならされてサラリーマン社長・社員化していくって姿。結構、目からうろこやった!第二部は40の外様大名の歴史。上杉鷹山は謙信の系譜やったとか、大阪狭山の北条は北条早雲の子孫やったとかの蘊蓄も面白かったし、財政改革とかお家騒動の歴史も楽しめた!また読みたい!2020/05/27
鐵太郎
10
一つ一つの藩の短くまとめられた歴史はそれなりに面白いのですが、短さゆえのツッコミ不足はともかく、なにか変だと思えるような記述もあったりします。なんだか隔靴掻痒な感じ。 うーむ、イマイチ。 と思ったら、著者の経歴を読んで少し納得。(笑)2012/10/25
スプリント
8
名前だけしか知らなかった大名について概要を知ることができました。大名家の由来から維新をどのように迎えたのかまでが網羅されています。2014/05/03
maito/まいと
6
江戸時代、外様として260年間を乗り切った大名達の政治手法を取り上げた一冊。大名家を40家も取り上げているので、1つ1つのボリュームが薄く、歴史に詳しい方々には食い足りないかもしれないがこうして読み進めていくと、どの家もだいたい生き残るために取り組んでいることは概ね共通していることに気付く。その中でもさらに飛躍した大名は、非常な手や、有能な行政家の存在、さらには従来の手法の徹底など、損害を恐れず一歩先を進んでいた。規模こそ異なるものの、現代の行政改革にも通じるモノがあるかもしれない。2013/02/01
金吾
5
スポットが当たりにくい部分を主題にしたため、期待値があがりすぎました。もう少し深い内容を読みたかったです。2019/01/24