内容説明
戦後、GHQ主導による新憲法の下で初めて規制された大麻は、遙か太古から、衣食住はもちろん医療や建築、神事など、日本人の生活になくてはならないものだった。1948年に施行された大麻取締法は、当時の政府が大麻産業を奨励していたためか、立法目的が明記されないまま現在に至っている。一方で、欧米諸国では所持・使用の非犯罪化が進み、医療やバイオ・エネルギーなど様々な分野での研究が盛んだ。国内外の知られざる大麻草の真実とは。
目次
第1章 大麻禁止の歴史(アヘン戦争勃発;世界に麻薬統制を訴えたアメリカ ほか)
第2章 大麻文化(大麻はどんな植物なのか;ネアンデルタールの呪術師たち ほか)
第3章 医療大麻(大麻活性成分THCの発見;大麻の医学的効能 ほか)
第4章 産業大麻の未来(ヘンプと呼ばれる産業用大麻;ヘンリー・フォードのヘンプ・カー ほか)
著者等紹介
長吉秀夫[ナガヨシヒデオ]
1961年、東京都生まれ。幼少より江戸葛西囃子を習得し、祭り文化への造詣を深める。明治大学政治経済学部在学中から舞台制作者として全国をツアーする傍ら、精神世界やストリート・カルチャーなどを中心にした執筆活動をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
或るエクレア
5
10年前位の本で、尚且つここ10年で大麻を取り巻く環境が激変してしまったため、今読むとなんかオシイ感じの本。面白かったのはEU各国での大麻に対する倫理観。ラテン各国が一番緩く、次にイギリスとゲルマン系の国が続き、何故かフランスだけ頑なに大麻に厳しい。医療大麻については抽出や濃縮が上手く出来なくてマトモな薬になっていない。推進派は医療大麻を勧めるがこれでは説得力を持たないだろう。全体的にニューエイジの香りがあって大麻イイヨイイヨっていう感じが行間に滲むw2016/12/28
sibafu
5
意外と真っ当な本だった。大麻の歴史に沿って、断片的に世界の歴史を知ることもできる。大麻世界に入門しよう、という主旨なので著者も大麻解放派側の主張をしている。しっかりと調べて書いているけれど、どこか大麻のメリットばかり並べ立ててデメリットはひた隠しにしている印象を受ける。「ドラッグ」とひとくくりにしたとき、大麻は他と比べ遥かにマシなのだろうけど、酒、タバコと同じくその周辺をめぐる利権などの政治的な動きまで考えるとうさんくさく思えて、まだまだ好意的には受け入れられない。とはいえ、興味はある。2013/05/15
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
4
☆×4.0…どう見ても犯罪行為を助長する本にしか見えてこない「タイトルがかなりアレ」な本です。中身は大麻の有用性を解いた素敵な本なんですけれどもね。本当、この何気ない植物ひとつでたくさんの人が救われるわけでして。だけれども日本では…受け入れられることは難しいかと思います。 2011/05/20
おさと
3
入門にはよいかも。復習になった。2018/11/18
boya
2
まさに解放派の主張どおりの内容だが、よく調べてあり参考になる。日本での一般的な大麻のイメージはおおきく誤解をふくんでおり、正すべき歴史的経緯と論拠はある。ただし、最終的には暗に全面解放を唱えているのが唐突に思え残念だ。2011/08/08