内容説明
アメリカの金融破錠は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破錠でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
目次
第1章 保守に託された最後の希望(簡単だった対立の構図;現状維持の「左翼」、変革を唱える「保守」 ほか)
第2章 自由は普遍の価値ではない(ある古い旅館の光景;全共闘の平和主義と暴力主義 ほか)
第3章 成熟の果てのニヒリズム(ニーチェととの出会い;道徳・正義の裏に潜む権力欲 ほか)
第4章 漂流する日本的価値(世界金融危機の根本原因は過剰資本;アメリカの北部型経済と南部型経済 ほか)
第5章 日本を愛して生きるということ(なぜ今「愛国心」なのか;「愛国心」をめぐる諸概念 ほか)
著者等紹介
佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済学・経済思想史。『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞)、ほか著書多数。2008年、第三回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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