内容説明
世界88万人の夢を乗せて、我らが探査機「はやぶさ」は太陽系誕生の鍵を握る、小惑星イトカワへと旅立った。果たして表面の物質は採取できたのか。本当に地球に帰還できるのか。3億キロの彼方で繰り広げられた人類史上初の大冒険を伝える感動と興奮のサイエンス・ノンフィクション。独自のロケット、独自の探査計画で世界中の研究者を驚かせ続けている異能集団「宇宙研」の歴史を辿り、その独創性の秘密に迫る。
目次
プロローグ 挑戦
第1部 大地の詩(逆転の糸川英夫;遺産から財産へ;栄光、落胆、そして試練)
第2部 天空の詩(虹の彼方へ、星の世界へ;「はやぶさ」への道;旅のはじまり;遂に来た、イトカワ!)
第3部 人間の詩(旅路の果てに)
エピローグ 復活
著者等紹介
吉田武[ヨシダタケシ]
京都大学工学博士。数学・物理学を軸に分野に囚われない著述活動を行っている。『虚数の情緒―中学生からの全方位独学法』(東海大学出版会)によって、日刊工業新聞社「技術・科学図書文化賞(最優秀賞)」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
14
糸川教授によるペンシルロケットの射出実験から実に半世紀以上の時を経て、「はやぶさ」が地球に帰還する。映画などになったのでご存知の方も多いだろうが、文章で読んでも心揺さぶられるものがある。大切なのはおそらく、時間と努力と結果。科学における失敗の重要性という記述にも学ぶところは大きかった。2012/08/20
紫羊
8
愛するはやぶさのことをもっと深く知りたくて読んだ。知れば知るほど愛が深まる…2018/11/29
tetuneco
7
お帰り。あんまり遅いから心配したよ。ありがとね。はやぶさに、それに関わるすべての人に。私が日本人であることに。2010/09/23
Humbaba
6
はやぶさのプロジェクトは,非常に安いコストしかかけられていないがその成果は100点を越えるほどのものである.これが書かれた当時にはまだ地球に到着していないが,その時点で既に世界初のオンパレードであった.無論,そう簡単にそれが達成されたわけではなく,達成までには様々な障害があり,それを人と機械とが協力してクリアしていった.2011/01/12
gushwell
4
はやぶさの本であると同時に、日本のロケット開発の歴史の本でもあります。はやぶさの偉業には多くの研究者、技術者達の想像を超えた熱い努力があったことを知りました。専門用語が目白押しで意味の通じない箇所が何箇所もありましたが、なんとか最後まで読み進められました。はやぶさが如何にして地球に帰還できたのかをもっと詳しく知りたいと思いました。2010/09/05