講談社選書メチエ<br> 神から可能世界へ―分析哲学入門・上級編

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講談社選書メチエ
神から可能世界へ―分析哲学入門・上級編

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585781
  • NDC分類 116.3
  • Cコード C0310

出版社内容情報

有名な「神の存在証明」の論理を分析していくとどうなるのか。哲学史上のトピックから現代哲学の最前線へ。分析哲学の魅力全開の一冊

「分析哲学」は、ありていに言えば、文の論理的な分析によって思考を展開する哲学の手法です。欧米の現代哲学の世界では主流をなす分野ですが、論理学的な要素が強いせいか、日本ではあまり人気があるとはいえません。
著者は、分析哲学の本場の第一線で活躍する哲学者ですが、日本でひろく受け容れられない現状を憂い、誰にでもおもしろく読める入門書『分析哲学入門』(講談社選書メチエ)を上梓しました。同書はさいわい、多くの読者から好評をいただき、よりくわしく考えるための「入門の中級編」として、前著『意味・真理・存在――分析哲学入門・中級編』を刊行。本書は、「分析哲学入門3部作」の掉尾を飾る「上級編」です。
上級編では、西洋哲学史上、きわめて有名なひとつのトピックをめぐって、分析哲学の方法がいかに論理的・形而上学的な思索を深めるのに有効かを、実践的に体験することを目指します。
そのトピックとは、「神の存在証明」です。なかでも、いわゆる「存在論的証明」といわれる、11世紀に聖アンセルムスが提唱した証明が主な課題となります。
これは、概略、「それより偉大なものを考えることができないような、そういうものは、思考の対象であり、存在する。ゆえに神は存在する」というものです。
この論理を、分析していくとどうなるか。そして、話題は、しだいに現代哲学の中心でもある、可能世界論へ。これぞ分析哲学、という世界を体感してください。
上級編にふさわしい、スリリングな哲学が展開します。

第1章 関係論
第2章 存在論的論証
第3章 可能世界
第4章 存在論的論証――現実主義

【著者紹介】
1953年生まれ。Ph.D.哲学、プリンストン大学、1981年。現在、カルフォルニア州立大学ノースリッジ校人文学部哲学科教授。専攻は、分析哲学、形而上学、言語哲学。おもな論文に、「フィクションについての反創造論」(" Philosophical Perspective" 2001年=英語)、著書に、『世界と個体、可能と不可能』(オックスフォード大学出版局、2010年=英語)、日本語の著書に『分析哲学入門』『意味・真理・存在――分析哲学入門・中級編』(いずれも、講談社選書メチエ)がある。

内容説明

「神」に関する議論はさまざまあるが、そのなかでも特にエレガントで西洋哲学史上影響が大きく、かつ現代の分析哲学にもその影響力がまざまざと感じられるのが、聖アンセルムスの「存在論的論証」だ。神の存在を証明するこの議論を分析することが、どのように現代哲学とつながるのか。好評シリーズの掉尾を飾る上級編!

目次

第1章 関係論(性質と関係;関係の性質 ほか)
第2章 存在論的論証(神の概念;存在論的論証の概観 ほか)
第3章 可能世界(時間論理;様相論理 ほか)
第4章 存在論的論証―現実主義(現実主義;不可能個体 ほか)

著者等紹介

八木沢敬[ヤギサワタカシ]
1953年生まれ。Ph.D.哲学、プリンストン大学、1981年。現在、カルフォルニア州立大学ノースリッジ校人文学部哲学科教授。専攻は分析哲学、形而上学、言語哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

13
分析哲学入門シリーズの中で最もエキサイティングな一冊。上級編となっているが、八木沢節満載の語り口の妙あって、非常に取り組みやすい。難易度は中級編とそこまで変わらず、他の哲学書と比べても読み難さを感じることもないというのが体感的な印象だ。個人的には八木沢分析哲学の初級~上級・アリスの中で、上級編が一番読みやすく楽しめた。中級編でも登場した概念の『可能的世界』が本書のコアとなる。『神』というテーマも宗教的意味合いにおける神ではなく、存在論の話なので、宗教的色彩が強い哲学が苦手な方でも気軽に読める様に思う。2020/03/13

御光堂

2
神の存在証明は導入に過ぎず、もっぱら可能世界論が論じられていた。結論としてはこの存在証明は、もし神という最も偉大なものである思考の対象が存在するとしたら存在する、という可能世界のことを語っているににすぎないということになるらしい。そして、「存在する」ということ自体をものの性質として認めるべきか否かという未だ結論の出ていない問題に帰着するということになるようだ。

Go Extreme

1
関係が対象それ自身との間に成立する性質 エッフェル塔はエッフェル塔と同じ高さ XはYとタンゴを踊っている 反射性、対称性、推移性を持つ関係 XはYと母親が同じ 抽象的対象の存在 穏健な唯名論は集合を回避しない 身長のような性質が集合とどのように異なるのか 存在しないよりも存在する方が偉大 命題は真理条件を持つ何か 形而上学的に可能な世界 三角形は多角形ではない 思考の対象は必ず何らかの世界に存在する w1 における X の偉大さは w2 における X の偉大さに勝る 現実世界という特定の可能世界2025/04/16

キュウキュウ

1
分析哲学入門とあるが、あくまでも上級編。分析哲学入門シリーズ3部作の最後の一冊。読むとものすごく疲れる。それにもかかわらずおもしろい。ただし、あと何度か読む必要がありそうだ。2014/07/02

Togo Murayama

0
勢いで最後まで通したけど正直3割も理解できてない。再読したい。2014/12/20

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